中国レポート
吉林省/長春市
今年の梅雨は暑さと高湿度に悩まされ、梅雨明けも例年より早くて暑い夏が訪れていま
すが、中山に行っている私としては同じような気候で特に問題はありません。
震災に遭われて、避難生活や仮設住宅で生活されている方々は、これからの暑さに耐
えて行かなければならない状況だと思いますが、前向きに頑張ってもらいたいと願っています。
先月の末に中国の吉林省長春市経由で白山市に行ってきましたが、スケジュールの関
係でいったん名古屋から香港経由で広東省中山に入り、翌日の飛行機で広州から吉林
省の長春市まで、そのまま車で目的地の白山市に行きましたが、朝7時過ぎに家を出て
目的地に着いたのは夜の10時半過ぎ、白山市に1泊、長春市に1泊して中山に戻りま
したが、トータル1万kmの移動でした。
強硬なスケジュールでしたが、私も中国の東北地区は初めての訪問で、少し暑さから逃
れた旅行(仕事です)でした。
長春市は1932年~1945年の間、旧満州国の首都で、日本とも深い関係がある都市で
す。現在は吉林省の省都で、省内の政治・経済・文化の中心地で極端な高層ビルは無
いようですが、開発が進み中国の大都市としての様相になって来ている綺麗な都市の印
象でした。
人口は市区内で358万人、都市圏としては約750万人で、中国における重要な研
究学園都市であり、科学技術人員の比重は中国でもトップクラスとなっています。
産業は農業・林業から工業まであらゆる産業が有る中で、中国の食料庫となっており、
トウモロコシ・大豆・米が主要作物です。
工業では、中国の第一汽車(自動車メーカー)が有り、フォルクスワーゲン・アウディー・ト
ヨタ・マツダの各社との合弁会社もあり、中国での自動車産業の中心地的な存在でも有
ります。
目的地の白山市は長春の約300km東部に位置しており、有名な長白山という山(目
的地で教えてもらった)から取った名前だそうですが、長春の空港からすぐ高速度道路に乗
って、見渡す限り平地で何もない(実際にはトウモロコシ畑)所を2時間近く走って、やっと
丘か山らしい地形が現れて、壮大な中国大陸を想いながらもうすぐと言われてから、一般
道を2時間走ってやっと着いたって感じです。
この町は、10数年前の中国を思い起こす様な感じで、私たちのイメージする中国の様
相を保っている場所です。
観光案内はこのくらいにして、出かけた目的は当然仕事(精一機械の仕事)ですが、び
っくりしたのはこの東北の田舎町に16年前から今回訪問した工場があり、MDF/パーチ
クルボード/木片セメントボードを生産しており、その設備は全てドイツの一流メーカー(当
時の名前でBISON)から購入したものです。
当時は当然、国営企業(実際には白山市政府の企業)ですので、このような設備が導
入されているのでしょうが、中国で国営企業が解体される中に導入されている事から、中
国の林業政策の強さが表れているのかもしれません。
現在は長春に本部があり半国営企業である、吉林森林工業と言う会社の傘下に入り、
操業を続けているようですが、今後素材作りから2次加工にまで製造範囲を広げていく計
画があると言うことです。
私どもが進めてきた、中国国内に日本の技術を精一機械経由で販売する計画の網に
かかった引き合いなのですが、何とか釣り上げたいと1万kmの旅をしてきました。
内容は今回の話が進展して、オープンにできる時期に報告したいと思っていますが、ネッ
トワーク作りが少し進展して、これから又、さらに広がりが出てくると考えています。
2011年07月10日
車田 修
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