中国レポート
アドペック開業10年経
2009年も残すところ1ヶ月を切りました、現状において過去を振り返る余裕も無く、日
本経済のどん底からの回復の兆候もはっきりしないまま、年を越さなければならない感
覚と、来年の仕事の見通しさえ立たない国内状況が頭から離れない状況が続いていま
すが、中国国内の景気は順調に回復してきており、住宅の価格も以前の最高値に近
いところまで戻ってきているようです。
中国政府の内需拡大策が効いたと言われていますが、輸出中心の企業はまだまだ苦
戦しているようです。 しかしその中の一部の企業は、輸出中心から内需に製造する商
品を切り替えたり、輸出品の中でも景気に左右されにくい商品(趣向品や高級品)に転
換したりで、彼らの方向転換の早さに驚くばかりですが、中国人の頭のフレキシブル性を
日本人も見習う必要があるのではないでしょうか。
しかしながら、日本の現在の状況はデフレ状態と政府の内需拡大策の遅れで、輸出・
内需ともに八方ふさがりの状態になってきており、早急な内需拡大につながる政策が必
要となっています。
アドペックも開業から10年の年月が経ち、関係する業界が縮小状態にある状況の中
で、グループ企業の協力の基に、中国合弁企業の精一機械を軸とした独自性を出し
て奮闘してきましたが、これも開業当初から支えて下さった多くの関係者のご協力によ
るものと心から感謝しております。
国内の多くのお客様にも精一機械製・設備機械(日本サイドのアドペックグループの
基本設計と日本メーカーの主要部品の構成)も、コスト面と品質面において認められて
きている実感がありますが、これもグループ各社及び各担当の方々の努力とお客様第
一に考える方向性が定着してきた結果だと考えております。
今後も、アドペクグループ各社と精一機械の協力の基に、世界一の品質と性能を目
指して、価格面においてもお客様に納得していただけるよう努力してまいりたいと考えて
おります。
今後の10年は、より高性能でより低コストの設備が求められる傾向がますます強くなっ
ていくと思いますが、日本国内及び中国国内ばかりではなく今後需要が拡大していくと
思われる、東南アジアや東欧にも販売を伸ばす方策が必要と考えており、日本におけ
る長年にわたる蓄積された技術ノウハウをベースに、中国での生産に対する品質管理
とより高性能な設備機械にする為の開発を続けて行きたいと思っております。
製造製品に関しても建材用塗装設備・乾燥設備を機軸として、各構成する設備機
械と搬送自動化設備ばかりではなく、それらを応用できる他分野への進出も視野にい
れながら私もあと少し頑張って行くつもりです。
来年以降、国内及び世界の景気が回復して、より良い商品を提供する事に集中で
きる環境になる事を心から期待して、今年最後のレポートを締めくくりとしたいと思います。
2009年12月10日
車田 修