中国レポート
中国北京の不燃ボード展覧会
6月30日に大連の客先訪問の途中、北京に立ち寄って「第3届中国国際新型壁体
材料技術装備及産品展覧会」を覗いてきました。
この展示会は、主にセメント系の不燃建材(ボード)系統の展示会ですが、まだ3回目
と言うことで規模的には大きくなく、日本的な感覚の不燃建材と言うよりセメントブロック
のような材料が目に付くレベルで、繊維補強の薄板セメント板や石膏ボード・ロックウー
ルボード等の展示はまだ少数派でした。
今回精一機械は、現在珠海市の塗料メーカーと共同開発をしている、不燃セメント
系外壁ボードへのUV転写印刷に関する設備をその塗料メーカーと共同で出展しました。
この製造ラインは既に中国国内での納入実績がありますが、外壁(フラット板)に塗布
できる紫外線や風雨等に対抗性がある、特殊UV塗料によるフィルム転写印刷と上塗
りを連続生産する設備です。ライン幅は4尺まで対応していますので、興味のある方は
ご連絡ください。
以前、広東省広州でも同様の展覧会に行きましたが、中国国内においては徐々に
この種の不燃建材と言われるボードの製造メーカーや二次加工メーカーが増えてきてい
る感じがしています。
中国の一般住宅は最近一戸建ても増えてきていますが、圧倒的に集合住宅と言わ
れるマンション形式の家が多く、内装の壁と天井はほとんどコンクリートの表面に白の塗
料を厚塗りしたもので、床に関しては木質フローリングが急速に増えてきていますが、特
に南の地区では陶板の床が未だ多く、その他MDF+低圧メラミンの床等が安価である
為、使用されています。
壁に関して、キッチンや風呂場等も相変わらず陶板(タイル)が多く使用されているの
が現状だと思いますが、一部間仕切り(マンション等の基本構造壁は変更できないが、
他の間仕切り等は変更可能)でコンクリートの壁を新たに作ったり、合板で間仕切りを
作って表面塗装というのも多く見かけましたが、最近は不燃ボード等で間仕切りするケ
ースも増えてきているようです。
一戸建ての住宅も、地方都市では富裕層を中心に増えているようで、鉄筋コンクリー
ト3階建て住宅がメインで、外壁の仕上げには、モルタル、タイル・レンガ等が使われてい
ますが、意匠性が単一になりがちなのと、目地の汚れが目立つことも含めて、自己主張
が強い中国人には物足りないのかどうか判りませんが、不燃ボードの印刷壁や日本的
なサイディングボードを使用するケースも増えてきているのではないかと思います。
中国北京に本社がある北新建材と言うメーカーは、石膏ボード・ロックウールボード・岩
綿保温シート等の不燃材総合メーカーですが、2007年に蘇州地区に日本からの技術
導入により(カタログにはあえて日本とは明記しないで、外国からの輸入としている)押し
出し成形によるサイディングボードの工場を建設して、年産180万m2の生産をしている
ようです。販売や用途は、一般一戸建て住宅の外壁ばかりではなく、低層集合住宅の
外壁・公共建物やビルの外壁の一部・地下通路や駐車場の壁等に使われているようで
す。
このように中国国内において、日本で一般に言われている、新建材(不燃ボード)の業
界も少しずつ目立つようになってきており、過去の日本と同じように、今後のこの業界の販
売戦略や商品開発の動向によっては、耐震や防火の法的な整備、ビル等に使用される
建材の軽量化・吸音対策等が進むにつれ、この業界も急成長するかもしれません。
いずれにしても、中国の景気は確実に上向いてきているようで、マンションの販売価格も
少し上昇し始めているようですし、自動車・家電も販売を延ばしはじめているようなので、
日本の景気回復の牽引役の一部のなると期待するところです。
2009年07月10日
車田 修
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