■住宅関連情報/2023年12月 ■        過去の住宅情報
<住宅、リフォ-ム、ロ-ン、建材・住設・家具・合板・木材、建築・ゼネコン・不動産、塗料・素材、環境、アジア>

住宅関連
  1. 住宅:住宅着工動向/国土交通省情報-11月の新設住宅着工戸数は66,238戸で、前年同月比8.5%減。6カ月連続の減少。季節調整済み年率換算/775,000戸。※国土交通省12-27/23 15:19配信
  2. 住宅:住宅着工動向/同上-内訳。持ち家-前年同月比17.3%減の17,789戸で、24カ月連続減。貸家-同5.3%減の28,275戸で、4カ月連続減。分譲住宅-同5.2%減の19,578戸で、6カ月連続減。うち分譲マンションは同5.2%減の7,671戸で先月増から再減少。戸出て住宅は4.3%減の11,835戸で、13カ月連続減。※同上
  3. 住宅:マンション動向/不動産経済研究所情報-11月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンション発売戸数は前年同月比4.3%減の2743戸。2カ月連続で前年同月を下回った。前年にタワ-マンションを相次ぎ売り出した反動で埼玉県が大幅減/68.9%減の197戸だった埼玉県以外の地域は好調だった。※日経12-21/23P15
  4. 住宅:マンション動向/不動産経済研究所情報-首都圏で2023年に新たに発売されるマンションの戸数は前年比5%減の28,000戸になる見込み。コスト増に伴い販売価格が上昇し、マンション各社が高額でも販売が見込める物件に限定する状況が続いている。コロナ禍で営業活動が制限された20年(27,228戸)以来の低水準に落ち込む。※日経12-22/23P19
  5. 住宅:マンション動向/同上-近畿圏も前年比2割減となる見通し。→発売戸数のエリア別見通し/★東京23区は12,600戸と前年比17%増。都心部は総戸数が約1000戸と大規模で、全住戸が1億円以上とされる「三田ガ-デンヒルズ」(港区)をはじめ、富裕層の底堅い需要を見込んだ高額物件が相次ぎ売り出された。※同上
  6. 住宅:マンション動向/同上-対照的に★神奈川県(18%減)や★埼玉県(41%減)は新規供給が軒並み減った。★近畿圏は大阪市部(20%減)や京都市部(34%減)などで減少。発売戸数が減った背景/建築コスト増に伴うマンション価格の高騰だ。都心部など好立地の物件以外の需要が見込みにくくなっている。※同上
  7. 住宅:マンション動向/同上-東京23区の新築マンションの平均価格は1-11月には22年比46%高い1億2058万円まで上昇。神奈川県/同9%高い5879万円。近畿圏/1%高い4683万円まで上昇。多くの世帯にとって手の届きにくい価格帯に突入している。※同上
  8. 住宅:住宅価格/東京カンテイ情報-11月の小規模新築戸建て住宅の平均希望売り出し価格は東京23区で1戸あたり7273万円。前月比5.1%高く、2カ月ぶりに7000万円台に上昇。一部で1億円を超える高額物件が売り出され、全体の平均を押し上げた。近畿圏/1.8%安い3860万円、中部圏/5.6%安い3681万円だった。※日経12-12/23P20
  9. 住宅:住宅価格/同上-調査は敷地面積50㎡以上100㎡未満の新築木造戸建て(土地含む)について、最寄り駅まで徒歩で30分以内またはバスで20分以内の物件を対象にした。※同上
  10. 住宅:住宅価格/同上-首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は0.6%高の5290万円。うち23区外も含めた東京都全体は4.0%高の6503万円、神奈川県は2.0%安の4623万円、埼玉県は0.8%安の4448万円、千葉県は0.6%安の4334万円。※同上
  11. 住宅:住宅価格/同上-東京23区では文京区や品川区で1億円超の高額物件が目立った一方、主要エリアの世田谷区では全体に占める1億円超え物件の比率が低下。11月は42%と前月(61%)比19ポイント低い。「ハウスメ-カ-は物価高による販売の鈍化を踏まえ、エリアによっては一般消費者の手が届きやすい中間価格帯に軸足を移している」と。※同上
  12. 住宅:住宅価格/東京カンテイ情報-分譲マンション賃料。東京23区/前月比0.2%高い1㎡当たり4236円。マンション価格高騰/消費者の賃貸志向根強く、強気の賃料を設定する動きがあった。東京23区の上昇は3カ月ぶり。分譲マンション賃料/マンション住戸の持ち主が設定する賃料。近畿圏/0.9%安の2176円、中部圏/1.3%安の1914円。※日経12-15/23P23
  13. 住宅:住宅価格/同上-調査は専有面積が30㎡未満の住戸や事務所・店舗用を除くファミリ-タイプを対象に、月額の募集賃料を集計。首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)/0.2%高い3547円。うち23区外も含めた東京都全体/0.1%高の4111円、神奈川県/0.8%高の2493円、埼玉県/横ばいの2036円、千葉県/1.3%安の1962円。※同上
  14. 住宅:パワ-ビルダ-/低価格戸建て分譲を手がける「パワ-ビルダ-」各社の在庫回転率が悪化している。住宅価格上昇や金利高で消費者が購入に慎重になり、販売が振るわない。採算悪化の懸念から株価も低迷している。国土交通省情報/10月の分譲戸建ての新設住宅戸数-前年同月比8.8%減の11,368戸、12カ月連続前年比減。※日経12-7/23P16
  15. 住宅:同上/2023年9月期の棚卸し資産回転日数-★オ-プンハウスグル-プは約190日と需要が活発だった21年9月期から約40日伸び、過去5年で最長。「過去10年間好調だった戸建て市場も足元で供給過剰感が出るなど、事業環境の雲行きが怪しくなってきた」(オ-プンハウス)。※同上
  16. 住宅:同上/3月期企業を9月期に換算した棚卸し資産回転日数の試算-23年9月期は3社とも長くなった。★オ-プンハウスグル-プ/前の期比約2日増の約190日。★飯田グル-プホ-ルディングス/約34日増の約201日、★ケイアイスタ-不動産/約20日増の約220日だった。飯田グル-プ/24年3月末までに未契約在庫を1000棟圧縮、26,000戸弱に。※同上
  17. 住宅:同上/オ-プンハウスの24年9月期の連結営業利益の見通し-前期比13%減。13年上場後初の減益に。飯田グル-プの23年9月中間期の連結営業利益は前年同期比54%減。ケイアイ不動産は52%減。注文住宅も需要に陰りが出ている。大和ハウス工業/23年4-9月の戸建て住宅の受注金額-前年同期比18%減、積水化学工業/同10%減。※同上
  18. 住宅:日本ハウスホ-ルディングス/2023年10月期連結見込み-最終損益は4700万円の赤字(前期/14億円の黒字)。従来の黒字予想を12億円下回り、一転赤字になる。建設コストの上昇で主力の戸建て住宅事業の採算が悪化した。将来の課税所得の下振れで繰り延べ税金資産も取り崩す。※日経12-9/23P17
  19. 住宅:東建コ-ポレ-ション/新社長-左右田 善猛氏(そうだ・よしたけ)。2000年(平12年)東建コ-ポレ-ション入社。09年常務、21年副社長、愛知県出身。46歳(12月8日就任。左右田稔社長兼会長は代表権のある会長に)。※日経12-9/23P15
  20. 住宅:東建コ-ポレ-ション/2023年10月中間期連結-増収減益。売上高1664億円(前年同期/1550)、経常益56.88億円(同/61.84)、利益38.28億円(同/41.73)。24年4月期連結見通し/売上高3389億円、経常益103.71億円、利益66.49億円。※日経12-14/23P16
  21. 住宅:土屋ホ-ルディングス/2023年10月期連結-減収増益。売上高344億円(前期/347)、経常益4.28億円(同/2.28)、利益2.33億円(同/2.30)。24年10月期連結見通し/売上高350億円、経常益7.50億円、利益5.50億円。※日経12-16/23P17
  22. 住宅:日本ハウスホ-ルディングス/2023年10月期連結-最終赤字。売上高391億円(前期/427)、経常益6.84億円(同/23.29)、利益▲0.47億円(同/14.74)。24年4月期連結見通し(決算期変更)/売上高122億円、経常益▲21.10億円、利益▲16.50億円。※日経12-16/23P17
  23. 住宅:大京/分譲マンション「ザ・ライオンズ」でエネルギ-消費が実質ゼロのZEH(ネット・ゼロ・エネルギ-・ハウス)で最高ランクの省エネ基準を満たした物件を開発する。3階建て以上の集合住宅としては、国内で先駆けて省エネ基準を満たした物件を出すことで、環境推進と生活利便性の両面で価値を訴求していく。※日経12-23/23P15
  24. 住宅:三菱地所/日本に1カ月~1年程度滞在する外国人向けの賃貸住宅(家賃/月30万~50万円)を2030年までに1万戸供給する。ITを活用して国境にとらわれず働く「デジタルノマド」が世界的に増えている。政府も誘致を掲げるなど成長が見込める分野について、いち早く住居面から需要を取り込む。※日経12-31/23P7
  25. 住宅:同上/このほど米不動産テックのブル-グランド・ホ-ルディングスとライセンス契約を結んだ。ブ  ル-グランド/世界32都市で、駐在員などを対象とした賃貸住宅を転貸で15,000戸運営し、年間1万人が利用する。日本では三菱地所の完全子会社が事業を展開。首都圏を中心に賃貸物件を借り、外国人向けにベッドや家具をそろえて転貸しする。※同上
  26. 住宅:中古住宅/不動産仲介大手の東急リバブル-中古戸建ての価格査定でAIの利用を始める。過去の取引の1000件以上の物件デ-タをもとに、従来は1週間ほどかかっていた査定期間を1日に短縮。住宅の新設着工戸数の減少で中古流通市場の拡大が期待される。土地や物件ごとの個別性が高い戸建ての取り扱いを増やす。※日経12-8/23P17
  27. 住宅:中古住宅/東京カンテイ情報-11月の中古マンション平均希望売り出し価格は東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)では70㎡当たり1億896万円。前月比1.0%高い。海外投資家の旺盛な需要を背景に2002年の集計開始後の最高値を10カ月連続で更新。※日経12-22/23P26
  28. 住宅:中古住宅/同上-調査対象は専有面積30㎡未満の住戸や事務所・店舗用を除く、  ファミリ-タイプ。都心6区/正味の在庫量を示す流通戸数は3672戸と前月比3.4%減、前年同月比でも2.2%減。先高観を意識して物件を早期に売り出す所有者は少ない。※同上
  29. 住宅:中古住宅/同上-一方で、好立地に伴う資産性の高さから、海外の不動産投資家や富裕層の買い意欲は強く、物件価格を押し上げている。※同上
  30. 住宅:中古住宅/同上-首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は0.8%安の4724万円。うち都心6区以外も含めた東京都全体/0.4%安の6408万円、神奈川県/0.6%安の3657万円、埼玉県/0.1%安の2992万円、千葉県/1.6%安の2704万円。「都心6区は物件が出るとすぐ売れる状況。一方、他のエリアは実需の鈍化で低調・・」と。※同上
  31. 住宅:中古住宅/不動産仲介のリストインタ-ナショナル情報-海外の富裕層からの物件照合が右肩上がりで増加。11月/前年同月比2割増の195件。1-11月/2120件と、前年同期比4割以上増。大半が投資目的。「金利ある世界」の足音が近づく中、日本の不動産を買える海外の富裕層と買えない国内の一般層との差が一層拡大。※日経12-28/23P17
  32. 住宅:中古住宅/東京カンテイ情報-都心部のマンションは一段と高騰。都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)における中古マンションの平均希望売り出し価格/直近11月まで10カ月連続で02年の集計開始後の最高値を更新。11月/70㎡あたり1億896万円。今年に入り中古マンションで「億ション」が定着。※同上
  33. 住宅:家賃/「横ばい」家賃に上昇圧力-消費者物価指数(CPI)上では、横ばい傾向が続いた家賃に上昇価格がかかっている。東京都区部の家賃/11月-約9年ぶりの高い水準となった。都市部を中心に賃貸住宅の需要が高まっているほか、簡単に上がらないとされていた家賃が動き始めた。※日経12-8/23P8>
  34. 住宅:家賃/都区部の一般的な賃貸住宅の家賃を示す「民営家賃」-11月は前年同月比で0.1%上昇。全国ベ-スでは横ばい傾向が続くが、都区部は上昇している。東京カンテイ情報/都市部の募集賃料をみるとその傾向は際立つ。東京23区の分譲マンションの家賃/8月以降、前年同月比11-12%上昇。上昇率は3カ月連続で2ケタ台。※同上
  35. 住宅:家賃/同上-過去15年超遡ってもみられなかった大きさで、23年1-6月の平均(5%台)を大きく上回った。首都圏/10月で前年同月比8%、近畿圏/同5%の上昇率だ。※同上
  36. 住宅:家賃/同上-状況は変化しつつある。足元の募集家賃相場が急激に上がっているのは物件価格高騰が主因だ。国土交通省の不動産価格指数情報/マンション価格-上昇傾向を続け、8月時点で5年前比34%上昇。持ち家が多い戸建ての同期間の上昇率(13%)を大きく上回る。※同上
  37. 住宅:家賃/同上-「働く女性が増え、高い家賃を払っても職住接近で住む人が増えている」(不動産開発大手)と指摘。物価上昇により「住宅購入に手が出ず、賃貸に流れる動きが起きている」(日銀関係者)。※同上
住宅リフォーム関連
 
  1. HC:DCMホ-ルディングス/2024年2月期連結見込み-純利益は前期比24%増の225億円。従来予想を38億円上方修正し、過去最高を見込む。11月にケ-ヨ-を子会社化したことに伴い、段階取得の差益76億円を特別利益に計上したことが利益を押し上げる。※日経12-28/23P16
  2. HC:同上/営業収益(売上高)-4%増の4940億円と従来予想を据え置いた。営業利益-4%減の290億円、経常益-5%減の280億円と、従来予想からそれぞれ20億円、26億円下方修正した。既存店売上高の落ち込みが響く。利益率の高いプライベ-トブランド商品の売上高構成比が高まるが、補えない。※同上
住宅ロ-ン関連
  1. 住宅ロ-ン:りそな銀行と埼玉りそな銀行/新居購入に伴う住宅ロ-ンを組む場合、旧居の売買が済んでいないことを一定期間認める新プランを大手行で初めて始めた。旧居の売却成立を1年間猶予する。猶予期間中は新居分の元金返済を免除し、利払いだけで済むようにすることで住み替えをしやすくする。※日経12-15/23P9
  2. 住宅ロ-ン:大手銀行5行/2024年1月の住宅ロ-ン金利-固定型の10年金利を引き下げた。三菱UFJ銀行、三井住友銀行/10年固定の最優遇金利を前月比0.1%引き下げそれぞれ1.02%、1.09%。みずほ銀行/0.5%低い1.35%。三井住友信託銀鏡/0.1%低い1.30%、りそな銀行/0.12%下げて1.52%。長期金利低下を反映。※日経12-30/23P3
  3. 住宅ロ-ン:大手銀行5行/最優遇前の10年固定型の基準金利も最優遇金利と同水準で引き下げた。各行の単純平均/0.09%低い3.69%となった。変動型の基準金利/各行とも2.475%で据え置いた。※同上
建材・住設・家具関連
  1. 建材:セメント協会情報/10月のセメント国内販売量-前年同月比5.0%減の3,188,800トン。前年を下回るのは14カ月連続。関東の一部は販売が持ち直したが、全体は公共工事の少なさが響いた。地域別/東北、関東2区の落ち込みが大きかった。ダムや半導体工場などの需要が一服したという。※日経12-2/23P19
  2. 建材:セメント協会情報/11月のセメント国内販売量-前年同月比8.4%減の3,112,910トン。前年を下回るのは15カ月連続。人手不足に伴う労務費上昇や資材高で全国的に建設設計を見直す動きがあり、セメント販売も伸び悩んだ。※日経12-26/23P20
  3. 建材:同上/地域別-関東1区(東京・埼玉・千葉・神奈川)は前年同月比1.1%減、近畿は10.6%減、東海は7.3%減。関東1区の減少率が小さかった背景/都心部の再開発向け需要が堅調だったためとみられる。2024年4月から建設現場で時間外労働の上限が設けられる。すでに作業員の稼働日数を抑えている工事現場もあるという。※同上
  4. 建材:ステンレス/ステンレス鋼の国内流通価格が低迷。薄鋼板/1年間で約4%下落。ステンレスを外装材などに使う建設業は人手不足で工事の遅れが目立つ。メモリ-市況の悪化で半導体製造装置向けの需要も鈍い。割安な中国製の流入が止まらず、価格の重荷になっている。※日経12-6/23P19
  5. 建材:ステンレス/ニッケルを原料に使う指標品種「SUS304」の薄鋼板(冷延品、厚さ2mm)の東京地区の価格-12月上旬現在で1トン685,000円。2022年12月比で4%、2500円安い。中国製/国産品より2割以上安いという。「中国品との競合もあり、国産品の値上げ機運は乏しい」(鉄橋商社)と。※同上
  6. 建材:ステンレス/日鉄ステンレス-2023年12月~24年2月契約分のニッケル系ステンレス線材を4四半期連続で値下げする。代表品種「SUS304」/23年9-11月分に比べて1トンあたり3万円(4%)引き下げる。原料となるニッケル価格の下落を反映。ニッケル系を使わないクロム系「SUS430」/価格は据え置いた。※日経12-22/23P26
  7. 建材:鋼板/薄鋼板主要3品種(熱延、冷延、表面処理)の10月末のメ-カ-・流通在庫(速報値)-前月末比29,000トン(0.8%)減の3,841,000トン。前月末を下回るのは2カ月連続。前年同月末比でも12.6%少ない。自動車生産の回復を背景に在庫調整が進んだ。メ-カ-各社の生産抑制も在庫調整につながった。※日経12-6/23P19
  8. 建材:鋼板/同上-10月の薄鋼板の輸入量は355,900トンと前月比で23.4%増。割安な中国品などの流入が今後の在庫調整のペ-スを鈍らせる可能性もある。※同上
  9. 建材:建設用鋼材/東京製鉄-2024年1月契約分の全品種の鋼材価格を6カ月連続で据え置く。人手不足による工事の遅れなどから建設用鋼材の荷動きは鈍い。製造業関連も世界経済の減速懸念から産業機械など自動車向け以外の需要回復が遅れている。原料や輸送コストは増加/需要の弱さから値上げ判断を持ち越した。※日経12-19/23P19
  10. 建材:建設用鋼材/同上-1月の価格。★H形鋼/1トン127,000円。★異形棒鋼/同98,000円。★熱延コイル/同105,000円。★厚鋼/同118,000円。建設関連/「24年以降も都市部の再開発や物流倉庫の新設など需要は底堅い」(同社)というものの、足元の鋼材取引は低調だ。中小規模ビルを中心に、工事の遅れや建設計画の見直しの動きが。※同上
  11. 建材:建設用鋼材/「ときわ会」情報-11月末のH形鋼在庫は前月末比1.4%増の191,400トン。2カ月ぶりに前月末を上回った。建設需要が盛り上がりを欠く中、一部鉄鋼メ-カ-が受注残となっていたH形鋼を流通業者に納入したことなどで在庫が積み上がった。※日経12-21/23P22
  12. 建材:産業資材/景気に敏感な素材、燃料などの国内企業間取引価格をもとに算出する日経商品指数42種(1970年=100)の12月末値-257.071、11月末比で0.5%低下。前月末を下回るのは3カ月ぶり。12月に円相場が対ドルで上昇したことを受け、金や非鉄など国際商品の円建て価格が小幅に下がり、指数を押し下げた。※日経12-29/23P20
  13. 建材:建設用鋼材/同上-日本製鉄は12月契約分のH形鋼について、再開発工事など大型案件ごとに直接取引するプロジェクト向けと一般流通(店売り)向けの販売価格をそれぞれ先月契約分から据え置いた。プロジェクト向け/11月契約分で1トンあたり3000円(2-3%程度)引き上げた。一般流通向け/2024年1月以降の値上げ検討。※同上
  14. 建材:神島化学工業/2023年10月中間期単独-経常減益。売上高126億円(前年同期/114)、経常益8.75億円(同/10.52)、利益6.54億円(同/6.21)。24年4月期単独見通し/売上高257億円、経常益22.00億円、利益16.00億円。※日経12-13/23P18
  15. 建材/住設:LIXIL/金利高による「三重苦」に直面-<海外の住宅需要の低迷>や<過去のM&Aで膨らんだ借入金の利払い増加>、そして<のれんの減損リスク>。2023年9月中間期の純利益は2億7600万円と前年同期比94%減。主力の水回り事業が海外で苦戦し、構造改革費も重荷。海外売上比率5割/円安恩恵なし。※日経12-5/23P17
合板・木材関連
  1. 合板:国産合板/住宅の壁や屋根などの構造部分に使う針葉樹合板の流通価格が下落。東京地区の問屋卸価格/厚さ12mm品-12月時点で1枚1640円と11月比80円(5%)安い。11月からの下落基調が続いた。主要な販路である木造住宅向けが低迷していることを映す。※日経12-5/23P23
  2. 合板:国産合板/国土交通省まとめ-木造住宅の新規着工戸数は、10月は前年同月比5.4%少なく、1年以上のマイナスが続いている。主要メ-カ-/需給の緩和を避けるため供給能力の8-9割程度に抑えた生産をしている。それでも需給は緩く、12月の下落につながった。※同上
  3. 合板:国産合板/流通市場-「一部で安値取引がみられる。その安値が意識され、価格を一段と押し下げるきっかけになった」との声が目立つ。流通市場/今後も値下がりが続くという見方は多く、観測は輸入品にも波及している。「円安による調達コストの上昇分を製品価格に反映しにくくなった」(輸入商社)と。※同上
  4. 木材:古材/住宅や工事現場などで使われていた古い木材「古材」の取引価格が上がっている。年月を経た独特な色つやが国内外で評価され、リノベ-ション向け建材として認知度が高まった。中古の建物を手直しして価格を高める動きが定着するにつれ、「内装は新しいものがいい」とする消費者の美意識の緩やかな変化がにじむ。※日経12-7/23P17
  5. 木材:古材/代表的な商品-工事現場などの足場に使っていた「足場板」と呼ぶ杉などの板材だ。価格分析ツ-ルを運営するオ-クファン情報/足場板のネットオ-クションの平均落札価格-2022年1-10月の平均で30,796円。コロナ禍前(16年)に比べ7割上昇。※同上
  6. 木材:国産木材/財務省の貿易統計情報-10月の丸太の輸出量は140,435立方mと前年同月比31%増。主力の中国向けが堅調だ。中国向け/129,621立方mと前年同月比41%増。日本/丸太や製材品、合板などの木材を中国や米国などに輸出。丸太/輸出量・金額ともに最も多い品目で中国向けが9割を占める。※日経12-19/23P19
  7. 木材:ナイス/18億円を投じ、徳島県小松島市に木材の新工場を建設-柱や梁など木造建築の骨組みとして使う構造用集成材の材料をつくる。温暖化や花粉症の対策として国が国産木材の利用を促しており、国産材に需要が高まると判断。徳島県や香川県産の木材を利用。
  8. 木材:同上/仮名称「徳島第2工場」-敷地面積4000㎡。2024年4月着工、25年3月竣工を見込む。10人程度の新規雇用を予定。稼働後5年目に約54,000立方mの原木消費量を見込む。建設に先立ち、ナイスは取引先の大倉工業と事業協定を結んだ。新工場で生産した材料を大倉工業が仕入れて構造用集成材をつくる。※同上
不動産・建築・ゼネコン関連
  1. 不動産:オフィスビル/三鬼商事情報-11月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は前月比0.07ポイント低い6.03%。低下は5カ月連続。渋谷区の大型新築ビルのテナント誘致好調を受け、2年6カ月ぶりの低水準。※日経12-8/23P21
  2. 不動産:オフィスビル/同上-年数区分別の空室率では、新築ビル(竣工から1年未満)は3.75ポイント低い34.13%。既存ビル(竣工から1年以上)は0.09ポイント低い5.27%。渋谷区/11月末に東急不動産の大型複合ビル「渋谷サクラステ-ジ」が竣工。オフィスフロア-の賃貸面積はおよそ10万㎡にのぼる。※同上
  3. 不動産:オフィスビル/同上-11月の平均賃料(3.3㎡あたり)は19,726円。前月比15円(0.08%)安く、40カ月連続で低下。新築ビル/1467円(5.47%)高の28,278円、既存ビル/47円(0.24%)安の19,579円。23年の主な大型新築ビルの供給は一服。24年には新規供給が落ち着く見込みで、しばらく空室率の押し上げ圧力は和らぐ。※同上
  4. 不動産:オフィスビル/森ビル情報-2023年の東京23区のオフィス需要調査。直近の賃料改定で増額した割合は4年ぶりに上昇。コロナ禍下ではテレワ-クの浸透で賃料が下落傾向だったが、人材確保や新規事業といった成長投資の一環として需要が回復している。※日経12-22/23P18
  5. 不動産:オフィスビル/同上-調査は03年から毎年実施。23年は9-10月に、主に東京23区に本社を置き、資本金の多い約1万社を対象にした。直近で賃料改定があった238社のうち、交渉も含めて増額した企業は前年比4ポイント増の66%だった。増加に転じたのはコロナ前の19年以来。※同上
  6. 施設:大和ハウス工業/2026年度までにホテルの客室分譲事業を始める。北海道や沖縄といったリゾ-ト地などで高級ホテルを含めた物件を開発し、1部屋ごとにホテルの区分所有権を売り出す。購入者が自ら使わない時に、訪日外国人を中心に貸し出すことで収入が得られる。持ち家型の別荘やリゾ-ト型の分譲マンションより管理の手間が少ない。※日経12-10/23P1
  7. 施設:同上/訪日旅行が盛り上がるなか、投資の幅を広げたい富裕層やビジネスパ-ソンらの需要を取り込む。開発するのは「ホテルコンドミニアム」と呼ばれる商品で、分譲マンションと同じように1部屋ごとに区分所有権を販売。所有者が貸し出す場合の宿泊価格/1部屋1泊3万円~4万円を想定。資産価値を高めるため、著名ブランドホテルの誘致も視野に。※同上
  8. 建築:建築費/建設物価調査会情報-民間の建設工事費用が上昇している。東京地区の11月の建築費指数(工事原価)/マンションやオフィスビルなど主要4分野すべてで最高を更新した。生コンクリ-トなど資材価格の上昇は一服感が出ているものの、人手不足を背景に工事現場での労働コストの増加に歯止めがかからない。※日経12-12/23P20
  9. 建築;建築費/同上-11月の東京地区の建築費指数(速報値、2015年=100)は、★マンション(鉄筋コンクリ-ト造)は前月比0.2%高い126.3と4カ月連続で最高を更新。★オフィスビル(鉄筋造)は0.5%高い128.5、★工場(同)は0.6%高い128.2、★住宅(木造)は0.2%高い133.2と、それぞれ最高だった。前年同月比/住宅は2.6%、その他は約5%高。※同上
  10. 建設:日本建設業連合会情報/11月の国内建設受注額は前年同月比31%増の1兆2559億円。民間からの受注額/42%増の1兆131億円で、11月単月では過去10年で最多。不動産や電力など非製造業からの受注が69%増の8124億円と好調だった。受注額/加盟93社の合計。関東地方で高額受注があった。※日経12-27/23P17
塗料・素材・原油関連
  1. 原油:輸入原油(DD原油)が値下がりしている。サウジアラビア産の代表油種「アラビアンライト」の11月積み価格/1バレル87.36ドルと、10月積み比.6.4%(6.01ドル)安く、7月以来4カ月ぶりの低水準。世界的な景気減速懸念による需要不安を映した。11月のドバイ・オマ-ン原油の平均価格/83ドル台半ばと10月比7%下落。※日経12-2/23P19
  2. 原油:原油相場が下落基調になってきた。米原油先物/6日-1バレル70ドルを下回り、約半年ぶりの安値圏に下落。景気減速と原油需要の弱さが改めて意識されている。米指標のWTI原油先物/6日、一時前日比4.4%安の1バレル69.11ドルと6月以来の低水準。欧州指標の北海ブレント原油先物/一時前日比4%安の同74.11ドル。※日経12-8/23P3
  3. 素材:合成樹脂/東洋スチレンとDICの国内ポリスチレンメ-カ-2社-ポリスチレン樹脂価格を2024年1月納入分から引き上げる。値上げ率/5-6%とみられる。主原料のナフサとベンゼンの価格上昇が見込まれるのを理由とする。上げ幅/東洋スチレン-1kg当たり15円以上、DIC-同16円以上とした。両社とも値上げ表明/22年9月以来。※日経12-12/23P20
  4. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/建設資材や日用品に使う塩ビのアジア向け輸出価格-3カ月ぶりに上昇。国内大手メ-カ-の12月積み価格/★インド向け-1トン850-870ドルと、中心値は前月を35ドル(4%)上回る。★中国向け-775-785ドルと25ドル(3%)高い。インド/農業インフラ向け需要底堅い。中国/需要伸び悩み続くも調整期に。※日経12-23/23P19
  5. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/同上-国内メ-カ-が値決めの参考にする台湾大手メ-カ-の輸出価格/インド向け-前月比30ドル(4%)高の1トン800ドル程度、中国向け-30ドル(4%)高い775ドル程度で決着したようだ。※同上
  6. 塗料:ナトコ/2023年10月期連結-減収減益。売上高201億円(前期/204)、経常益13.60億円(同/21.04)、利益9.51億円(同/15.14)。24年10月期連結見通し/売上高215億円、経常益14.60億円、利益10.00億円。※日経12-15/23P22
環境関連
アジア関係/その他
  1. アジア:中国/中国の不動産問題が混迷を深めている。香港の高等法院(高裁)/4日の審理で、経済再建中の中国恒大集団に対する法的整理申し立ての判断を先送りした。会社と海外債権者、当局の利害が対立し再建の行方が見えない。根底には中国政府が進める問題の先送り案があり、景気停滞を長期化させかねないリスクがある。日経12-5/23P3
  2. アジア:中国/マンション予約急減-中国のマンション購入で、完成前に売買契約を結ぶ予約販売の物件を敬遠する動きが広がっている。新築販売面積に占める比率は6年ぶりの低さだ。不動産会社の資金不足で建設中に工事が止まる例が相次いだためだ。完成後販売の物件は資金回収の期間も長く、不動産会社の資金繰りの逼迫要因に。※日経12-6/23P11
  3. アジア:中国/中国景気が底ばい状態から抜け出せていない。中国国家統計局情報/11月の主な経済統計情報-消費動向を映す小売売上高は季節要因をならした前月比で減少に転じた。家計の先行き不安は根強く、2023年の新築住宅販売面積は初めて2年連続の減少になる見通しだ。※日経12-16/23P5
  4. アジア:韓国/韓国中堅建設会社の秦栄(テヨン)建設-経営再建手続きを申請。28日/期限の債務約52億円(480億ウオン)の返済メドが立たず、銀行管理下で再建を目指す。韓国不動産市場/低調が続いており、建設業界に信用不安が広がる恐れがある。同社/負債比率は480%に達し、不動産販売の停滞、金利上昇で資金繰り悪化。※日経12-29/23P12
  5. その他:倒産/東京商工リサ-チ情報-2023年の全国の企業倒産件数は約8500件と前年比3割強増え、8年ぶりの高い水準になりそうだ。コロナ禍での金融支援が急拡大した反動が出た。倒産がコロナ前の「平時」に近づくなか、焦点は企業の資金繰り支援から新陳代謝を促す事業再生や生産性向上策に移る。※日経12-27/23P3
  6. その他:倒産/同上-倒産(負債額1000万円以上)の直近ピ-クはリ-マン危機時の08年で15,646件、1990年からコロナ前の19年までは平均13,000件台だった。20年春に始まった実質無利子・無担保(ゼロゼロ融資)により、倒産は減少。21年は6030件と1964年以来の低水準となり、22年も6000件台。平時に比べ1-2千件、倒産が抑え込まれた。※同上
  7. その他:倒産/同上-23年7月に民間金融機関でゼロゼロ融資を利用した約5万社の猶予期間が終わった。※同上
■トピックス
  大和ハウス工業/店舗も木造に-「非住宅」10年で3000億円 事務所やオフィスも <日経12-26/23P15>
  • 大和ハウス工業/概要:2024年度から木造建築の店舗や事務所などを本格展開する。木造は建設にかかるCO2の排出量が鉄骨造の1/3の試算もあり、環境保護を重視する施工主の需要が増えている。住宅以外の木造建築の売上高を10年以内に3000億円規模に育てる。
  • 組織と狙い:「非住宅」の木造建築拡大のためのプロジェクトを10月に立ち上げた。30人ほどで活動を始め、全国で営業体制や建材の供給網を整える。→コンビニエンスストアとドラッグストア、事務所やオフィスビルなど、延べ床面積が3000㎡未満の比較的小さな建物で木造を拡大する。建築コスト/鉄骨と同水準になるとみている。→大きな建物では建築基準法の耐火性能を満たすために鉄骨造や鉄筋コンクリ-ト造が主流になるが、小規模な建物では木の風合いを外装やインテリアに生かす需要も期待できる。
  • 脱炭素対策:木造住宅/建材の生産にかかるCO2排出量が鉄筋コンクリ-トの1/4、鉄骨造の1/3ほどとされる。CO2を吸収する木材を伐採するため環境負荷はそれほど小さくならないとの見方もあるが、政府は林業の活性化のためにも木材の利用を推進する構えだ。→2021年には木造化促進法が改正され、学校などの公共建築に加えて民間建築も同法の対象になった。農林水産省は木造建築への補助金制度も設けている。→同社/22年度に事業活動と過去に販売した建物からの排出などを含めて1223万トンのCO2を排出した。30年度には排出量を22%減の952万トンに抑えたい考えだ。
  • 大和ハウス工業の計画:同社は商業施設、事務所など事業施設の建築で22年度に約2兆2200億円の売り上げがあった。大半が鉄骨造で、木造の比率は2-3%にとどまっているが、10年以内に10%超に引き上げる。木造で約3000億円の売り上げを確保して、「非住宅」事業全体でも成長を目指す。→人口減少で木造住宅の需要が減少するなかでも、木造の「非住宅」は成長が期待できる分野だ。矢野経済研究所予測/国内の「非住宅」木造の工事費-25年度には7700億円となり、21年度から29%伸びるとみている。
  • 国内各社の取り組み:大手ゼネコン/高層ビルなど大型建築でも木造化に取り組んでいる。竹中工務店/三井不動産が計画する高層オフィスビルを木造で建築する計画で、25年の完成を目指す。大林組/オ-ストラリアで、木造と鉄骨造を組み合わせた地上39階建てのビルを施工する計画を打ち出している。
  • 大和ハウス工業の体制づくり:同社/木造建築の受注拡大に備え、商社などを通じて木材の調達体制を整える。当面は木材加工工場は持たずに外部のプレカット事業者に加工を委託する方針だ。木の板の繊維方向が直角に交わるように接合したパネル(CLT)の活用も視野に入れる。接合パネルは鉄よりも軽いが一定程度の強度を確保できるという。→国産材の調達にも力を入れる。21-22年には世界的な木材不足を受けて価格が急騰した「ウッドショック」が起きた。為替も含めて価格変動が起きやすい輸入材への依存を下げる狙いもある。将来的には大和ハウス工業が全国に保有する1000万㎡以上の社有林の活用も検討する。→同社/戸建て住宅でも木造シフトを進めている。27年度には国内の注文住宅と建売住宅を合わせて1万棟の販売を目指している。そのうち5割以上を木造にしたい考えだ。足元では鉄骨造が9割近い。農林水産省情報/柱などに使うスギ材の価格-11月に前年同月から2割下がり、高止まりしている鉄骨に対して割安感  も出ている。
  • 住宅市場の衰退に対応:国土交通省情報/木造住宅の新設戸数-22年に477,883戸と前の年と比べて5%減少。国内の新築住宅の半分強が木造だが、人口減少もあり市場拡大は見込みにくい。同社/店舗や事務所など「非住宅」も合わせて、木造へのシフトを進める。木造と鉄骨造は建築手法が異なるため、ノウハウを持つ人材の獲得や、鉄骨造を手がけてきた社員のリスキングも進める。 102-116
■情報源:※日経=日本経済新聞 四国版 ※京貿=国際貿易促進協会京都総局
※国貿=国際貿易 ※高新=高知新聞