■住宅関連情報/2023年8月 ■        過去の住宅情報
<住宅、リフォ-ム、ロ-ン、建材・住設・家具・合板・木材、建築・ゼネコン・不動産、塗料・素材、環境、アジア>

住宅関連
  1. 住宅:国土交通省情報/7月の新設住宅着工戸数-前年同月比6.7%減の68,151戸と2カ月連続の減少。季節調整済み年率換算/778,000戸。種類別/持ち家-同1.6%減で20カ月連続の減少。貸家-同1.6%増、分譲住宅-17.6%減。※国土交通省8-31/23 14:29配信
  2. マンション発売動向:不動産経済研究所情報/7月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数-前年同月比14.2%増の2591戸。9カ月ぶりにプラスに転じた。東京五輪の選手村として使われた大型マンション「晴美フラッグ」のタワ-棟など、都心部で大型物件の供給が増えた。※日経8-18/23P12
  3. マンション発売動向:同上/価格高騰が続くが、好立地の物件は引き合いが強い。首都圏の1戸あたりの平均価格/6割弱上昇して9940万円となり、7月単月としては過去最高。東京23区/81.8%高い1億3340万円だった。※同上
  4. 住宅:住宅価格/東京カンテイ情報-7月の小規模新築住宅の平均希望売り出し価格は、東京23区で1㎡あたり6883万円。前月比0.7%安。下落は2カ月ぶり。物価高や金利の先高感によって購買意欲が冷え込み、売り出し物件が低価格帯にシフトしている。小規模/敷地面積50㎡以上100㎡未満や最寄り駅への時間など条件明示。※日経8-10/23P23
  5. 住宅:住宅価格/同上-23区でも高額物件の販売が多い世田谷区では1億円以上の物件が全体に占める割合が7月に36.8%と、前月の41.7%から低下。1億円未満で売り出される物件が増加。首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)/同0.1%高い5320万円、うち23区外も含めた東京都全体/同2.4%高の6459万円。※同上
  6. 住宅:住宅価格/同上-神奈川県は同3.6%安の4637万円、千葉県は同2.2%高の4352万円。※同上
  7. 住宅:住宅価格/東京カンテイ情報-7月の分譲マンション賃料は東京23区で1㎡あたり4170円。前月比0.8%高い。2カ月ぶりに過去最高を更新。都心に居住するニ-ズの高まりを受け、夏の閑散期でも強気の賃料設定が続いた。※日経8-18/23P19
  8. 住宅:住宅価格/同上-分譲マンション賃料は住戸の持ち主が貸す際に設定する賃料。調査対象/専有面積30未満の住戸や事務所・店舗用を除くファミリ-タイプ。首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)/同0.1%高の3519円。うち23区外も含めた東京都全体/同0.7%高の4043円。※同上
  9. 住宅:住宅価格/同上-神奈川県は同0.7%高の2528円、埼玉県は同0.1%高の1999円、千葉県は築古物件が増えた影響で、同1.1%安の1966円。コロナ禍が落ち着き、オフィスの出社が戻っている。東京23区の賃料は上昇基調だ。近畿圏/同1.4%安の2202円で6カ月ぶりに下落。中部圏/同1.8%高の1971円。※同上
  10. 住宅:賃貸マンション/不動産各社-賃貸マンションの開発を進める。分譲マンションの価格が高騰するなか、住宅購入を見送ったカップルやファミリ-層は少なくない。単身者向けだけでなく、ファミリ層向けの賃貸マンションの開発で収益確保を目指す。※日経8-19/23P13
  11. 住宅:賃貸マンション/★野村不動産-2025年までに賃貸マンション「プラウドフラット」で新たに約20棟、1500戸を開発する計画だ。野村不動産の賃貸マンション事業/不動産ファンドやマンション投資家などに売却することで収益を上げる。足下/広さ60-70㎡以上のファミリ-世帯に焦点を当てた物件も数多く手がけている。平均入居率は97%台と高水準で推移。※同上
  12. 住宅:賃貸マンション/★東京建物-開発中の賃貸マンション戸数は約2000戸にのぼる。販売用不動産残高ベ-スで22年末の賃貸マンションは18年比約2倍の417億円。同社も不動産ファンドやマンション投資家などに売却することで収益を上げる。「10年で賃料も上がっており、(売却だけでなく自社による)長期保存の検討もしている」(同社)。※同上
  13. 住宅:賃貸マンション/★長谷工コ-ポレ-ション傘下の長谷工ライブネット-自社開発物件を現在より5割増やす。「ライブカ-サ」ブランドで7月までに28棟1578戸の賃貸マンションを開発した。現在計画進行中の物件は22棟804戸あり、合計の戸数ベ-スで1.5倍になる。※同上
  14. 住宅:賃貸マンション/賃貸物件-需給ともに増加。国土交通省情報/22年度の貸家の新設着工戸数-前年度比5%増の347,427戸。賃貸需要の高まりの背景/①分譲マンション価格の高騰。②住宅ロ-ン金利の先高観からの不安感も賃貸シフトに進む一因。③日本の低金利下で、海外からの賃貸マンション市場への投資の活発化。※同上
  15. 住宅:穴吹興産/2023年6月期連結-増収減益。売上高1138億円(前期/1113)、経常益64.78億円(同/70.68)、利益40.51億円(同/41.87)。純利益/前期比3%減。売上高は過去最高だったが、燃料価格の高騰でエネルギ-関連事業の損失響いた。24年6月期連結見通し/売上高1270億円、経常益52.00億円、利益32.00億円。※日経8-9/23P16,35
  16. 住宅:穴吹興産/ITスタ-トアップ企業のGOGEN(東京・港)と業務提携した。分譲マンションの販売手続きの完全オンライン化などのサ-ビス開発を進める。穴吹興産/年2000戸の新築マンションを販売しており、従業員と顧客の双方の利便性を向上させる。※日経8-11/23P29
  17. 住宅:穴吹ハウジングサ-ビス(マンション管理)/人材育成施設「あなぶきPMアカデミ-」(高松市)を22日-改装開業する。マンションの修繕や点検業務の知識を学べる場所で、従業員や管理組合の関係者が利用している。老朽化するマンションが全国的に増加する中、修繕の前と後を見比べられるように展示を充実させる。6階建ての施設。※日経8-18/23P31
  18. 住宅:日住サ-ビス/2023年6月中間期連結-減益。売上高31億円(前年同期/31)、経常益0.82億円(同/1.55)、利益0.55億円(同/1.05)。23年12月期連結見通し/売上高49億円、経常益0.73億円、利益0.43億円。※日経8-9/23P16
  19. 住宅:レオパレス21/奨学金制度の対象となる学生に賃貸アパ-トを無償で貸し出したり、現金給付したりする制度を始める。2025年4月に入学の学生から実施。年間数十人程度が対象で毎年新規に募集。学費や生活費の高さを理由に希望通りの進学が難しい学生を経済的に支援。企業イメ-ジを高めることで採用活動にも生かす。※日経8-16/23P14
  20. 住宅:オ-プンハウスグル-プ/同業の三栄建築設計を買収する方針-TOBなどを通じて完全子会社化する。買収金額/約430億円。三栄建築設計/反社会勢力に金銭を供与したとして、東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告を受け、業績が悪化する恐れが出ていた。オ-プンハウスのもとで経営を建て直す。※日経8-17/23P13
  21. 住宅:同上/TOB買い付け価格-1株2025円で、16日の終値と比べて約10%上乗せ幅(プレミア)を付けた。公開買い付け期間/17日から9月28日までで、買い付け予定数の下限/議決権ベ-スで株式数の66.67%。※同上
  22. 住宅:同上/三栄建築設計-首都圏を中心に年間1600~2000件の分譲住宅を供給。  「パワ-ビルダ-」の一社。平均価格/4500万円程度。※同上
  23. 住宅:三栄建築設計/東京証券取引所-東証プライム上場の三栄建築設計に上場契約の違反金1000万円の支払いを求める。同社/東京都公安委員会から6月20日に暴力団排除条例に基づく勧告を受けた。勧告理由/小池社長が20年以上、暴力団組員と交流を持っていた事実は2011年~12年の上場審査時に提出した宣言書に違反。※同上
  24. 住宅:ウェルネストホ-ム(住宅メ-カ-/名古屋市)/住宅の電力利用を自動制御できるシステムを開発した。今秋、高松市内のモデル住宅に設置。太陽電池と蓄電池を組み合わせて電力の自給を目指しており、百十四銀行も同社の住宅ビジネスを支援。家電部門で高い脱炭素目標を掲げる香川県内でも次世代の省エネ住宅として注目されそうだ。※日経8-23/23P33
  25. 住宅:コクヨ/賃貸住宅事業に参入-オフィス家具を手掛けるなかで蓄積した空間デザインなどのノウハウを生かし、入居者が柔軟に働ける場所として住まいを提供する。若年層を中心に顧客を取り込みたい考えだ。9月1日/賃貸集合住宅「THE CAMPUS FLATSTOGOSHI」(東京・品川)を開業する。※日経8-30/23P17
  26. 住宅:中古住宅/東京カンテイ情報-7月の中古マンション平均希望売り出し価格は東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)で、70㎡あたり1億352万円。前月比0.5%高い。居住ニ-ズが高い都心に海外の投資が集中し、6カ月連続で過去最高を更新。調査対象/専有面積30㎡未満の住戸や事務所・店舗用を除く、ファミリ-タイプ。※日経8-26/23P18
  27. 住宅:中古住宅/同上-都市圏別。首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)/同0.6%安い4805万円。うち、6区外も含めた東京都全体/同0.3%安い6408万円。神奈川県/同0.5%高い3687万円、埼玉県/同0.3%安い3024万円、千葉県/同0.1%安い2804万円。※同上
  28. 住宅:中古住宅/近畿圏-同0.1%高い2905万円、中部圏/同1.3%安い2253万円。 「投資マネ-の流入は東京一人勝ちの様相になっている。都心6区は堅調な推移を見せるだろう」(東京カンテイ)と。※同上
住宅リフォーム関連
 
住宅ロ-ン関連
  1. 住宅ロ-ン:りそな銀行と埼玉りそな銀行/住宅ロ-ンのシステムを刷新し、手続きをネットで完結できるようにした。これまで顧客が正式な申し込みの段階で紙の書類を郵送する必要があった。顧客の利便性を向上させるとともに、事務に関わる人員を減らして資産運用などの対面業務に振り向ける。※日経8-3/23P8
  2. 住宅ロ-ン:他行の動向-三菱UFJ銀行や三井住友銀行は手続きのネット完結をすでに実現。みずほ銀行は一部の書類で原本の郵送が必要。ネット銀行/auじぶん銀行などがネット完結を実現する一方、住信SBIネット銀行のように正式の申し込みの段階で紙の書類の郵送を求める銀行も。りそな銀行/住宅ロ-ン残高目標-2026年3月末に1兆円増。※同上
  3. 住宅ロ-ン:住信SBIネット銀行/住宅ロ-ンの最長返済期間を35年から50年に伸ばす。完済時に80歳未満の若者が対象となる。住宅価格の高騰で毎月の返済負担が重くなっている。50年ロ-ンを投入し、その後の長い取引期間が見込める20代の開拓を狙う。適用金利の低さで住宅ロ-ン競争を主導してきたネット銀行の戦い方が変わる。※日経8-4/23P3
  4. 住宅ロ-ン:三井住友ファイナンシャルグル-プ(FG)傘下のSMBC/地銀の住宅ロ-ンの保証事業を始める。まず沖縄海邦銀行と提携。これまではグル-プの三井住友銀行の融資を主に保証していた。保証先を地銀まで広げ収益源の拡大を図る。保証の審査/三井住友銀行の住宅ロ-ンと同様の審査システムを使う。審査事務の削減や時間短縮が可能に。※日経8-4/23P8
  5. 住宅ロ-ン:住宅ロ-ン減税/一定の省エネ基準を満たさない新築住宅-2024年1月から<住宅ロ-ン減税>の対象から外されるのを受け、建設業者などが対応を急いでいる。過去の傾向に照らすと新築住宅の2割近くが基準を満たさない可能性がある。住宅ロ-ン減税を使う予定の購入者も注意が必要だ。※日経8-7/23P3
  6. 住宅ロ-ン:大手銀行/9月に適用する住宅ロ-ン金利-日銀の政策修正による長期金利の上昇で主要5行の固定10年の基準金利を引き上げた。基準金利の平均/3.65%と今年3月の3.74%以来、半年ぶりの高水準となった。短期金利の連動する変動型/各行とも据え置いたため、固定型と変動型の金利差が拡大。※日経9-1/23P9
  7. 住宅ロ-ン:同上/9月の10年固定の最優遇金利-★三菱UFJ銀行は前月比0.1%上昇の0.88%、★三井住友銀行は0.2%上昇の1.09%、★みずほ銀行は0.15%上昇の1.35%にそれぞれ引き上げた。★三井住友信託銀行は0.15%上昇の1.3%、★りそな銀行は0.18%上昇の1.57%に設定。※同上
  8. 住宅ロ-ン:同上/9月の変動型-各行とも基準金利は2.475%に据え置いた。各行の最優遇金利/三菱UFJ銀行-0.345%、三井住友銀行-0.475%、みずほ銀行-0.375%。ネット銀行/住信SBIネット銀行-0.320%、auじぶん銀行-0.319%。※同上
建材・住設・家具関連
  1. 建材:立山ブラインド工業/2023年6月中間期連結-増収減益。売上高204億円(前年同期/203)、経常益23.06億円(同/24.06)、利益14.82億円(同/15.51)。23年12月期連結見通し/売上高428億円、経常益43.00億円、利益27.00億円。※日経8-3/23P17
  2. 建材:大倉工業/2023年6月中間期連結-増収増益。売上高393億円(前年同期/383)、経常益27.14億円(同/25.41)、利益23.02億円(同/18.30)。23年12月期連結見通し/売上高810億円、経常益48.00億円、利益35.00億円。※日経8-11/23P18
  3. 建材:伊藤忠商事/持ち分法適用会社で住宅建材の大手の大建工業に対し、TOBを実施。最大497億円を投じ、完全子会社化。国内の住宅建築市場が縮小するなか、意志決定を迅速化してグル-プの相乗効果を高める。伊藤忠商事/現在-大建工業の株式の36%強を保有。TOBが成立すると大建工業は上場廃止になる。※日経8-11/23P13
  4. 建材:伊藤忠商事/大建工業の買い付け価格-1株3000円で、9日の終値に28%の上乗せ幅(プレミア)をつける。公開買い付け期間/14日~10月10日まで。※同上
  5. 建材:伊藤忠商事/国内の住宅建築市場は縮小傾向-新たな市場の開拓が急務だ。伊藤忠商事/大建工業の子会社化で、経営資源を有効活用する。物流を最適化するほか原価・販管費を下げ、収益力を強化。伊藤忠商事の流通や施工会社とのネットワ-クを生かし、国内の非住宅事業や北米を中心とした海外事業も広げる。※同上
  6. 建材:鋼板/薄鋼板の主要3品種(熱延、冷延、表面処理)のメ-カ-・流通の6月末の国内在庫(速報値)-前月末比33,000トン(0.8%)減の4,007,000トン。2カ月ぶりに前月末を下回った。半導体不足などが和らぎ、生産が回復基調にある自動車向けを中心に出荷が増えた。前年同月末と比べても515,000トン(11.4%減)少ない。※日経8-4/23P18
  7. 建材:鋼板/鋼材の代表品種である薄鋼板の流通価格が下落。指標となる熱延品(1.6mm厚)/東京地区-7月末比1.6%安。中国などからの安価な輸入品が出回っている。自動車以外の製造業や建設関連の建材需要は鈍く、流通業者間では安値取引が増えている。※日経8-15/23P20
  8. 建材:鋼板/同上-東京地区の問屋間でやりとりする熱延品(1.6mm厚)の価格は現在、1トン123,500円前後と7月末比で2000円(1.6%)下落。熱延品/2022年秋以降、下落基調。22年10月比9000円(6.8%)安い。背景/中国などからの安価な輸入品の増加だ。中国/需要を上回る高水準の鋼材生産が続いている。※同上
  9. 建材:建設用鋼材/「ときわ会」まとめ-7月末時点のH形鋼在庫は前月末比0.4%増の197,200トン。3カ月連続で前月を上回った。前年同月末比でも5.7%多い。人手不足などで建設工事が停滞し、H形鋼の出荷が低調だ。在庫率/2.76カ月分。6月の3.10カ月を下回った。※日経8-24/23P22
  10. 建材:建設用鋼材/日本製鉄-8月の契約分のH形鋼の一般流通(店売り)向け価格を5月連続で据え置いた。原材料などのコスト高で「値上げしたい状況」(同社)といい、需要の盛り上がりを慎重に見極める構えだ。※同上
  11. 建材:ニッケル系鋼板/日鉄ステンレス-ステンレス冷延薄鋼板の8月契約分の一般流通(店売り)向け価格について、ニッエル系を1トン1万円(2%弱)引き下げる。値下げは2カ月連続。原料であるニッケルの価格下落を反映。クロム系/同5000円(1%強)下げる。インフラ設備や工作機械の部材などにも使う厚鋼板/1トン1万円(1.5%)引き下げる。※日経8-11/23P22
  12. 建材:セメント/セメント協会情報-7月のセメントの国内販売量は3,055,909トン、前年同月比4.2%減。11カ月連続で前年を下回る。4-7月累計/前年同期を5.9%下回った。現場の人手不足や悪天候で工事が進まず出荷が停滞。8月見通し/「台風や大雨で工事日程の見直しが目立った。人手不足は常態化。出荷低迷は続きそう」(同協会)。※日経8-25/23P21
  13. 建材:産業資材/日用品や家電、住宅に使う素材の企業間取引価格が下がっている。物価高によって国内の消費が息切れし始めたため、鋼板や木材は前年に比べて1割安い。素材の値下がりが加速すれば、物価高のペ-ス鈍化につながる可能性がる。※日経8-9/23P21
  14. 建材:産業資材/国産針葉樹合板-5月から流通価格が下がりだした。指標品は7月下旬時点で1枚1750円(中心値)と、前年同期より13%安い。国内の需要の弱さが背景にある。都心のマンションは投資マネ-も流れ込んで引き合いが強いが、実需が大半の戸建ては需要が鈍い。6月に新築木造住宅着工戸数/前年同月比6%減の9,672戸。※同上
  15. 建材:産業資材/鋼材-熱延の薄鋼板が値下がりした。流通業者間の取引価格は現在、1トン125,500円前後と、前年同月比5%強安い。東京製鉄は7月契約分を10カ月ぶりに値下げした。日本鉄鋼連盟情報/2023年4-5月の普通鉄鋼の国内向け受注量は前年同期比6%減の5,675,000トン。産業機械や工作機械向けがなどが不振のようだ。※同上
  16. 建材:産業資材/基礎化学品ベンゼンの卸価格-勢いがない。ベンゼンを供給するEPSON情報/8月の想定価格-1kgあたり131.4円と、前年同月比15%安い。中国や日本、韓国でプラスチックや合成ゴムを使う家電製品や日用品、包装の消費が不振。日本芳香族工業会情報/6月のベンゼンの需要量(国内と輸出の合計)-前年同月比19%減。※同上
  17. 建材:産業資材/景気動向に敏感な素材や燃料などの国内における企業間取引を基に算出する日経商品指数42種(1970年=100)の8月末値が上昇し、3カ月連続で過去最高を更新。ガソリンや化学品の上げが目立つ。円安・ドル高の進行による円建ての原料価格の上昇を反映。素材・燃料の高値を受けて国内の需要鈍化も顕著だ。※日経9-1/23P22
  18. 建材:産業資材/42種の8月末値-257.947と7月末から0.8%上昇。前年同月比でも3.6%高い。品種別/原油高を受けて、石油製品や化学品の上昇が指数全体を押し上げた。建設工事などに使う鋼材や木材/需要の鈍さから軟調だ。製造業/自動車以外の素材需要は低調だ。消費財への支出/盛り上がりを欠く。※同上
  19. 建材:建設資材/取引価格に下げ圧力が強まっている。住宅の柱に使う木材の流通価格/約1年前の最高値の半値となった。ビル向けのH形鋼も鉄鋼大手が5カ月連続で値上げを見送った。住宅は価格高騰で需要が落ち、ビルやマンションは人手不足で工事が進まない。荷動きは鈍り、安値取引も広がっている。※日経8-22/23P20
  20. 建材:建設資材/同上-住宅の柱や梁に使う集成材の東京地区の問屋卸価格は現在、1立方mあたり77,500円。4月に比べて12,500円(14%)安い。集成材は2021年秋から22年夏に15万円の過去最高値をつけた。現在はほぼ半値だ。※同上
  21. 建材:建設資材/同上-鋼材の荷動きは低調だ。東京製鉄/9月契約分の鋼材価格を全品種で8月から据え置いた。H形鋼/1トン127,000円。4月契約分で3000円(2.4%)値上げした後、5カ月連続の据え置きだ。同社/原料や電気料金の高止まりからH形鋼のさらなる価格引き上げも見すえる。※同上
  22. 住設:ノ-リツ/2023年6月中間期連結-経常減益。売上高997億円(前年同期/957)、経常益13.83億円(同/15.17)、利益10.61億円(同/5.15)。23年12月期連結見通し/売上高2340億円、経常益86.00億円、利益59.00億円。※日経8-10/23P16
  23. 住設:長府製作所/2023年6月中間期連結-減収増益。売上高233億円(前年同期/234)、経常益26.25億円(同/22.28)、利益22.28億円(同/16.08)。23年12月期連結見通し/売上高480億円、経常益54.00億円、利益39.00億円。※日経8-11/23P18
  24. 家具:イト-キ/2023年6月中間期連結-増収増益。売上高681億円(前年同期/637)、経常益70.95億円(同/44.16)、利益47.07億円(同/36.76)。23年12月期連結見通し/売上高1300億円、経常益75.00億円、利益48.00億円。※日経8-8/23P16
  25. 家具:イト-キ/首都圏の物流施設を分散。倉庫機能を埼玉県川口市から東京都江東区と埼玉県草加市の2カ所に8月から順次移転。都内や神奈川県などの販売店に近い場所に分散させることで運送効率を改善し、トラック運転手の不足が懸念される物流の「2024年問題」に備える。自動化も進める。※日経8-16/23P14
  26. 家具:内田洋行/2023年7月期連結-増収増益。売上高2465億円(前期/2218)、経常益91.61億円(同/78.43)、利益63.66億円(同/44.77)。24年7月期連結見通し/売上高2550億円、経常益93.00億円、利益60.00億円。純利益/23年比6%減-増収となるが、23年7月期に法人税が減った反動が響く。※日経9-1/23P19
合板・木材関連
  1. 合板:住宅の壁や屋根などに使う合板の流通価格が下げ止まった。戸建て住宅の販売が鈍り、合板メ-カ-や商社が供給を絞り込んだ。国内の生産量/足下で前年比2割減、海外からの調達/4割減。ただ、住宅の需要は力強さを欠いており、相場が上昇に転じる気配はない。※日経8-16/23P20
  2. 合板:同上/国内市場-針葉樹で製造した国産品とインドネシアやマレ-シアなど東南アジアの輸入品が流通。8月時点の価格/国産針葉樹合板(厚さ1.2mm品)-1枚1750円(中心値)と4月比250円(13%)安い。輸入品(同)の価格-225円(10%)下がり1枚1925円が中心。5月以降、軟調な相場地合が続き、減産や輸入抑制で価格下落が止まった。※同上
  3. 合板:同上/農林水産省の合板統計情報-国産針葉樹合板の6月の生産量は213,852立方mと前年同月比19.5%少ない。メ-カ-による減産基調が鮮明だ。6月の輸入量は前年比で4割減。需要は振るわない/国土交通省情報-6月の木造住宅着工戸数は前年同月比6.4%減の39,672戸。今後の価格見通し/「当面横ばい」の見方多い。※同上
  4. 木材:国産木材/価格が下がった。住宅の柱に使うヒノキ正角(近県材、3m✕10.5㎝角)の流通価格/東京地区-1立方m77,000円と7月比1000円(1%)値下がり。前年同月比では8%安い。ヒノキ正角/主に木造住宅の柱に使う。※日経8-25/23P21
  5. 木材:国産木材/木材問屋-「住宅の建築費を抑えたいハウスメ-カ-に価格が高いヒノキが選ばれにくくなっている。同じ用途で割安な杉の正角に需要が移っている」と。杉平角の流通価格/7月から横ばい。日本/一時、在宅勤務の広がりなどで住宅向けの荷動きが活発になったが、足下では需要は一巡している。※同上
  6. 木材:国産木材/国産木材の供給が増えている。国内で流通した量/最近20年で約2倍になった。コロナ禍では輸入木材の流通が乱れ価格が高騰。為替などに影響されない国産資源を活用しようという機運が高まっている。国産木材/合板や柱や梁などの材木、チップにする燃料材などに利用される。※日経8-29/23P20
  7. 木材:国産木材/林野庁情報-2021年は3372万立方m使われ、2020年比で約1割増加。01年比では9割多い。輸入品を含めた流通量全体に占める国産の自給率/約4割。過去最低だった02年の2倍以上に伸び、輸入品が増え始めた1970年以来の水準に回復。環境問題の点から追い風だが、住宅の不振で木材価格は下落傾向。※同上
  8. 木材:国産木材/課題は多い。深刻な人手不足だ。高性能の機械が普及してきたが「屋外の仕事は労力がかかり、特に若い人の確保が難しい」(林野庁)。林業従事者/1980年代の1/3に減少。理由/所得の低さ、労働がきつい、年間平均所得は全産業の平均を90万円程度下回る。※同上
不動産・建築・ゼネコン関連
  1. 不動産:東京建物/2023年6月中間期連結-減収減益。売上高1796億円(前年同期/2150)、経常益362.42億円(同/501.85)、利益138.16億円(同/353.30)。23年12月期連結見通し/売上高4130億円、経常益670.00億円、利益445.00億円。※日経8-11/23P18
  2. 不動産:オフィスビル/三鬼商事情報-7月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は前月比0.02ポイント低い6.46%。低下は3カ月ぶり。港区で大規模な新築ビルが空室を残して竣工したが、既存ビルで中小規模の成約が広がったことから全体の空室率はわずかな低下にとどまった。※日経8-11/23P22
  3. 不動産:オフィスビル/同上-供給過剰の目安とされる5%を30カ月連続で上回った。年数区分別/竣工1年未満の新築ビル-前月比横ばいの34.42%。既存ビル-同0.07ポイント低い5.71%。コロナ禍からの経済再開で従業員の出社回数を引き上げる流れがある。オフィス面積を増床する例が増えており、中小規模の成約が活発だ。※同上
  4. 不動産:オフィスビル/同上-都心5区の平均賃料は1坪(3.3㎡)あたり19,819円。前月比19円(0.1%)下がり、36カ月連続で下落。新築ビル/3.15%高の27,988円、既存ビル/0.08%安の19,688円。※同上
  5. ゼネコン:大手ゼネコンの受注のけん引役が、オフィスから工場へシフトしている。過去10年以上、オフィス受注が工場受注を上回っていたが、2023年3月期に逆転。半導体製造業などで工場の国内回帰が進んでいることが背景にある。上場大手ゼネコン4社/23年3月期の建築受注額(単体ベ-ス)のうち、工場受注は合計で約1兆3500億円。※日経8-17/23P15
  6. 施設:ホスピス型住宅/末期がんや難病の患者らに特化した介護施設「ホスピス型住宅」が急増している。アンビスホ-ルディングス(HD)、日本ホスビスHD、シ-ユ-シ-の上場大手3社が運営する施設数は3年で2.7倍になり、今後3年でも約2倍になる見通し(2026年3月末の合計/250施設)。※日経8-20/23P7
塗料・素材・原油関連
  1. 原油:輸入原油(DD原油)が大幅に上昇。サウジアラビア産の代表油種「アラビアンライト」の7月積み価格/1バレルあたり83.49ドルと、6月積み比7.8%(6.06ドル)上昇し、3カ月ぶりの高値。7月からの自主減産で供給が減り、国際価格が上昇したのを反映。アジア指標の7月のドバイ・オ-マン原油の平均価格/80ドル台半ばと6月比7%上昇。※日経8-2/23P17
  2. 原油:原油価格が騰勢を強めている。WTI先物価格/9日-9カ月ぶりに高値をつけた。米景気が軟着陸できるとの期待から需要が堅調に推移するとの見方が広がっている。WTI/9日-前日比2%高の1バレル84.65ドルと、2022年11月以来の高値を回復。6月末からの上昇率は20%だ。背景/世界景気への楽観的見方。※日経8-11/23P9
  3. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/アジア向け輸出価格が上昇。国内大手メ-カ-の8月積み価格/インド向け-1トン870-890ドルと、中心値は前月比50ドル(6%)高い。中国向け-同50ドル(8%)高い1トン815-825ドル。ともに5カ月ぶりに上昇。※日経8-4/23P18
  4. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/同上-国内メ-カ-が値決めの参考にする台湾の塩ビ大手の輸出価格は、インド向が60ドル(8%)高い1トン820ドル程度、中国向けは60ドル(8%)高い815ドル程度で決着したもよう。今春からアジア市況が低迷/中国メ-カ-が塩ビを減産。アジア域内の塩ビの需給/締まってきたことに加え、需要期を前に在庫積み増し。※同上
  5. 素材:DIC/2023年12月期連結見通し-純利益は前期比77%減の40億円。従来予想(3%減の170億円)を大幅に下回る。欧州の景気減速で塗料用顔料の販売が減り、収益性の高いデジタル機器向けの需要回復も遅れる。売上高は1%増の1兆600億円と400億円下振れする。特に建築向けや工業向けが影響を受ける。※日経8-10/23P15
  6. 塗料:日本ペイントホ-ルディングス/2023年6月中間期連結-増収増益。売上高6929億円(前年同期/6220)、経常益819.54億円(同/399.00)、利益608.98億円(同/269.71)。23年12月期連結見通し/売上高14500億円、経常益1510.00億円、利益1100.00億円。純利益/前期比39%増。従来予想から120億円上方修正。アジア地域で主力の建築用塗料を中心に販売が伸びる。予想より円安が進んだことも寄与。※日経8-11/23P18
環境関連
アジア関係/その他
  1. 海外:米国/米国の商業用不動産が試練に直面-在宅勤務など需要の構造変化に加え、金利上昇や融資の引き締めで資金繰りに変調が出ている。5年間で返済満期を迎えるロ-ン/400兆円近くにおよび、債務不履行予備軍の物件は膨らむ。銀行の経営体力をそげば実体経済への影響も出る。当局は監視を強めている。※日経8-2/23P2
  2. 海外:米国/同上-米国各地の大都市で、オフィス向けロ-ンの延滞や不履行が頻発している。一時解雇や在宅勤務普及の影響は大きい。しわ寄せは古いビルに向かう。米MSCT情報/米商業用不動産市場における不良債権残高-6月末で718億ドルと4四半期連続で増え、同残高の1/3超はオフィス向けが占める。※同上
  3. 海外:米国/米国の消費者が家を買いにくくなっている。在庫不足で中古住宅の販売価格が過去最高値で推移し、買いやすさを示す指数は2008年の金融危機前に起きた住宅バブル期を下回った。利上げ局面にもかかわらず住宅価格が値上げりする市場のひづみが長期化し、家計の圧迫要因になりかねない。※日経8-9/23P11
  4. 海外:米国/米金利の上昇が住宅市場に波及-10-16日の30年固定の住宅ロ-ン金利は平均で7.09%。2002年以来、約21年ぶりの高水準。物価上昇圧力が強く、市場では米連邦準備理事会の金融引き締めが長期化するとの観測が出ている。米30年債利回りが12年ぶりの高水準まで上昇している状況を反映した。※日経8-19/23P3
  5. 海外:英国/大和ハウス工業-英国で分譲マンション開発に乗り出す。10月にロンドンにマンション開発子会社を設立。欧州では自治体などから発注を受ける集合住宅の建設を手がけているが、分譲マンションを開発するのは初。2027年3月期に海外の分譲マンション事業の売上高を1500億円に増やす。23年3月期の同事業の海外売上高/975億円。※日経8-8/23P15
  6. 海外:中東/アイカ工業-中東地区に進出し、日本でシェア首位のメラミン化粧板の需要を開拓する。このほど首長国連邦のドバイに営業拠点を新設。中東各国/石油に依存した産業構造からの脱却が課題で、企業誘致や投資の呼び込みに力を入れる。オフィスなどの建設が増えるとみて、家具の表面材に使うメラミン化粧板の販売網を整える。※日経8-25/23
  7. アジア:シンガポ-ル/シンガポ-ル政府系ファンドのGIC-インフラ投資に軸足を置く。市場の不確実性が高まるなか、株式や債券より安定したリタ-ンを見込み、年間平均1兆4000億円(100億ドル)超を投じる。米中対立を受けて、地域別では中国からインドや東南アジアに資金を移す方針だ。GIC/日本でも不動産を中心に積極的に投資している。※日経8-2/23P10
  8. アジア:インド/三菱地所-インドで不動産開発に参入。2024年までに同国第4の都市チェンナイでオフィスビル2棟を完成させ、その後も開発案件を広げる。安定した収益が期待できる米国などの成熟都市は、コロナ禍を契機に出社率の戻りが鈍い。成熟市場に偏重した姿勢を転換し、海外事業でポ-トフォリ-の分散を進める。※日経8-22/23P3
  9. アジア:インド/調査会社モ-ド-インテリジェンス情報-インドのオフィス市場は2028年に約13兆2300億円と、23年の3.3倍に拡大する。三菱地所/18年3月期~20年3月期の3カ年平均で5%(15億円)程度だった海外事業の事業利益に占めるアジアの割合を、30年に45%(約400億円)に引き上げる。※同上
  10. アジア:タイ/ニトリホ-ルディングス(HD)-8月31日にバンコクに1号店を開く予定で、2027年までに25店舗に増やす方針だ。タイの家具市場/所得水準の向上とともに成長が見込まれており、主に都市部の住民の需要を取り込む。1号店/バンコク中心部の大型商業施設「セントラル・ワ-ルド」内に構える。延べ床面積/2600㎡。※日経8-26/23P13
  11. アジア:中国/住宅都市農村建設部情報-住宅購入の頭金比率引き下げやロ-ン借り入れ規制緩和を示唆。諸対策/1件目に住宅購入時の頭金比率や住宅ロ-ン金利を引き下げ、買い替えにかかる税金を減免し、個人の住宅ロ-ン借り入れ歴を問わない。※京貿
  12. アジア:中国/同上-諸対策。住宅引き渡し保証業務を継続し、不動産開発プロジェクト建設と引き渡しを加速。低所得者向け住宅の建設や、都市の中の村(域中村)改造、平治・緊急時両用のインフラ施設建設への建築会社と不動産会社の積極的な参加など。※同上
  13. アジア:中国/ロイタ-通信情報-中国の不動産大手の碧桂園が米ドル債の利息を払えなかった。合計2250億ドル(約32億円)の利息を6日までに支払う必要があったが、出来なかった。同社/3日発表-7月の物件販売契約額は120億7000万元と前年同月比6割減少。未払い報道後/香港株式市場での終値-4日比22.4%下落。※日経8-10/23P10
  14. アジア:中国/不動産最大手の碧桂園の2023年1-6月期の最終損益は450-500億元(約9000億円~1兆1000億円)の赤字に転落したもよう。販売低迷を受け、業績が急速に悪化している。前年同期/最終損益-19億1000万元の黒字。不動産販売の不振やプロジェクトの評価損などが赤字転落の原因に挙げた。※日経8-12/23P5
  15. アジア:中国/不動産最大手の碧桂園に対する市場の不安が高まっている。販売縮小で資金繰りが悪化/債務再編はさけられない情勢だ。米ドル債の流通利回りは3000%を超え、債務不履行を盛り込んでいる。中国では代金支払いや住宅の引き渡しを巡って不動産会社に対する抗議が相次ぐ。※日経8-16/23P9
  16. アジア:中国/同上-碧桂園の債務総額は1兆4348億元で、うち住宅の引き渡しが済んでいない顧客に対する「契約負債」が6681億元を占める。中国政府/住宅引き渡しを最優先課題としており、経営再建には債券など金融債権の再編は避けられない。※同上
  17. アジア:中国/中国不動産最大手の碧桂園控股-2023年1-6月期連結の最終損益が450億~550億元(約9000億~1兆1000億円)の赤字となる見通しだ。住宅と学校の一体開業で成長したが、習近平指導部の政策変更で経営モデルが崩れ、過去最大の赤字を計上する。碧桂園と恒大/中国不動産販売で1位、2位を争ってきた。※日経8-31/23P11
  18. アジア:中国/マンション販売価格の下落が拡大している。7月の主要70都市の新築住宅価格動向情報/7割の都市で前月の水準を下回り、各都市平均の下落率は0.23%に拡大(6月の下落率/0.06%)。先行き不安から販売不振が長引き、資金繰りが悪化した不動産大手への市場の不安も高まる。※日経8-17/23P1,3
  19. アジア:中国/同上-値下がりした都市は49で、6月から11都市増。70都市の価格変化率は2カ月連続のマイナス。7月は省都クラスの平均変化率もマイナスに転じ、大都市にも値下がりの波が広がった、販売の落ち込みが要因だ。国家統計局情報/1-7月の新築販売面積-前年同期比4.3%減。減少率は1-6月の2.8%から広がった。※同上
  20. アジア:中国/同上-地方政府の財政難は深刻だ。「融資平台」(地方政府傘下のインフラ投資会社)の債務はGDPの5割。中国の不動産開発会社の経営難は地方政府を直撃している。税収と並ぶ地方財政の二大柱だった土地使用権の売却収入が急減し、財政余力が低下。国際通貨基金の推定/23年の融資平台の債務額-中国のGDPの53%。※同上
  21. アジア:中国/中国で金融リスクの火種が膨らんでいる。経営再建中の中国恒大集団/17日-米国で連邦破産法15条を申請した。不動産などを運用し、個人や企業が投資目的で保有する信託商品の一部では償還停止が表面化した。不動産不況を発火点に金融システムへの不安が広がっている。※日経8-19/23P1
  22. アジア:中国/同上-日経集計。不動産販売上位10社に恒大を加えて11社の負債総額/2022年末時点-10兆元を超え(10兆5738億元)。中国国内総生産(GDP)の1割近くにのぼる。不動産不況の影響は金融当局の監視が相対的に緩いシャド-バンク(影の銀行)にも波及した。金融当局/市場の動揺を抑えるための対応に追われている。※同上
  23. アジア:中国/地方政府傘下のインフラ投資会社「融資平台」-資金繰りが悪化。不動産市況の悪化で資金不足に陥り、工事が中断されたままの建設現場も目立つ。融資平台が発行する一部の債券は、信用不安から利回りが急上昇している。※日経8-22/23P12
  24. アジア:中国/国家統計局情報-7月、70大中都市のうち分譲住宅販売価格が上昇した都市の数は減少した。新築分譲住宅と中古住宅の前月比販売価格が上昇した都市の数はそれぞれ20と6で、前月よりそれぞれ11と1減少した。前年同月比販売価格が上昇した都市の数は26と5で、どちらも前月より1減少した。※京貿
  25. アジア:中国/不動産大手の遠洋集団控股-資金繰りの悪化で人民元債の償還が困難になり、債権者に期限の延長などを提案。不動産不況で業績は悪化しており、債務不履行の懸念が強まっている。この人民元債/子会社が発行-元本残高は20億元(約400億円)。本来の償還期限/8月2日、30日間の猶予期限に入っている。※日経8-24/23P10
  26. アジア:中国/経営再建中の中国恒大集団-2023年1-6月中間期連結の最終損益は330億元(約6600億円)の赤字だった。前年同期の663億元の赤字から縮小したが、1-6月期としては3年連続で最終赤字。23年1-6月期の売上高/前年同期比44%増の1281億元。※日経8-28/23P1
  27. アジア:中国/経営再建中の中国恒大集団-債務超過額が6月末時点で6442億元(約13兆円)に膨らむ。負債総額/2兆3882億元(約48兆円)、販売のメドがつかないまま抱える1兆860億元(約22兆円)の開発用不動産が重い負担に。住宅価格の下落が本格化すればさらなる評価損につながり、債務超過の拡大はさけられない。※日経8-29/23P3
  28. アジア:中国/中国の不動産開発会社に債務超過リスクが浮上している。主要11社の6月末の開発用不動産(開発用地)/約6兆3500億元(約130兆円)にのぼる。単純計算ではこの評価額がおよそ3割下落すれば現在の資本は枯渇し、債務超過に転落する。※日経9-1/23P1
  29. その他:事業承継/中小企業庁情報-2022年に改定したガイドラインで、円滑な事業承継について「喫緊の課題」と位置づけた。25年までに平均的引退年齢とされる70歳を超える中小事業者は約245万人となり、うち半数強の127万人は後継者未定。国/全都道府県に設置した「事業承継・引き継ぎ支援センタ-」を通じて後押しする。※日経8-3/23P33
  30. その他:倒産/東京商工リサ-チ情報-企業倒産の増加ペ-スが速まっている。7月の企業倒産件数/758件と前年同月比53%増。単月では2020年初めのコロナ禍の拡大以来、最大の増加幅。経済が再開する中、人手不足や借入金の返済難で経営が行き詰まるケ-スが増加。7月/全国の全地域で倒産件数が2カ月連続で前年同月比プラス※日経8-9/23P8
  31. その他:倒産/原因別-販売不振が最多の555件。「不況型」倒産(赤字の累積や売掛金の回収難)-626件と12カ月連続で前年同月を上回った。飲食業の倒産-71件と73%増。経済再開で外食需要は戻り、都市部や観光地では訪日外国人の需要が拡大。一方、人件費や食材費の上昇でコストが増え、利益を出せず経営に行き詰まるケ-スも増加。※同上
  32. その他:倒産/建設業や製造業の倒産も目立つ。海外から部品や原材料を仕入れる企業-1ドル=140円台で推移する円安も重荷だ。「ゼロゼロ融資」の免除期間が終わる企業数/24年4月にかけてピ-クを迎える。7月は新たに約5万社がゼロゼロ融資の返済を始めた。※同上
  33. その他:倒産/金融機関/再生の見込みがある企業と先行き厳しい企業をふるいにかけ、支援にも格差が生じる。今後も倒産の増加が続きそうだ。保証付き融資の返済を信用保証協会が肩代わりする「代位弁済」/4-6月期-9720件と前年同月比70%増。資金繰りに行き詰まり、破綻の瀬戸際にある「倒産予備軍」が増加。倒産増勢傾向。※同上
■トピックス
  東京の建築費/最高水準-マンションなど 7月6%超上昇 <日経8-11/23P22>
  • 民間調査機関情報/概要:資材高騰/人件費重く-オフィスビルやマンションなどの建設コストが増えている。2023年夏の東京の工事単価は過去最高水準となった。資材価格の高騰に加え、現場作業員の人件費も上がっている。今後は都心部で新たな開発も本格化する。猛暑による既存工事の遅れを挽回する動きが強まる秋に向けて一段の費用増も予想される。
  • 建設物価調査会情報:建物の種類ごとに工事単価を指数化し「建築費指数」としてまとめている。建築や電気や空調など設備工事にかかる費用に加え、作業員の管理といった工事現場での経費を組み合わせて毎月算出。10日発表/7月の東京の「建築費指数」(速報値、2015年=100)-オフィスビル(鉄骨造)が前月比横ばいの125.8、マンション(鉄筋コンクリ-ト造)もぼぼ横ばいの123.1。工場(鉄  骨造)、住宅(木造)も前月とほぼ同水準だ。4種類の建物すべてで過去最高だった6月の水準が維持されている。
  • 建築費指数の動向:指数の前年7月との比較/マンションとオフィスビル、工場でそれぞれ6%を超える上昇となっている。→鋼材やコンクリ-トなど建設資材は高騰している。生コンのゼネコンなどへの販売価格は7月に東京地区で1割上昇。さらに建物の躯体や基礎となる鉄筋の加工や組み立てを手がける鉄筋工など現場の作業年不足が、工事費の上昇につながっている。鉄筋工業者/鉄筋工を引き留めるために給与の上乗せは欠かせない。
  • 建築現場の作業員:鉄筋工の業界/「就業者の2割程度が中国や東南アジアなどから来日した外国人だ」(矢島鉄筋工業)と。技能実習生や特定技能を持って在留資格を得た人材が工事現場の労働力となっている。こうした外国人が、コロナ禍で帰国した後、戻ってこないケ-スも少なくない。円安で外貨建ての収入が目減りするなど、日本で働くメリットは薄れつつある.
  • 建築現場で起きていること:人出不足や資材高騰で中小規模のビルやマンションの着工の先送りがみられる。コストを下げるため設計を見直す動きも出ている。ただ都市部の新規の大型再開発は今後本格化する見通しだ。既存の建設工事は、猛暑を背景に進捗が遅れ気味だ。暑さが和らぐ9月以降、人員を補充して工事のペ-スをあげるケ-スも少なくなさそうだ。「秋に向けて工事関係の人材獲得競争が激化すれば、工事費用はさらに上昇する可能性がある」(建設業界に詳しいフロンティア・マネジメント)と。
  • 建設業の「24年問題」/ゼネコン-労働力に不安:建設業界において喫緊の課題は24年4月から残業規制が厳格化される「2024年問題」の対応だ。少子化を背景に人材獲得競争は激しく、十分な労働力を確保できるかは不透明だ。ゼネコンにとって決め手となる解決策は見いだしにくい(めどが立っていないのが実情だ)。建設工事の停滞が国内の経済成長の足かせになる懸念も強まっている。  101-1
■情報源:※日経=日本経済新聞 四国版 ※京貿=国際貿易促進協会京都総局
※国貿=国際貿易 ※高新=高知新聞