■住宅関連情報/2021年8月 ■        過去の住宅情報
<住宅、リフォ-ム、ロ-ン、建材・住設・家具・合板・木材、建築・ゼネコン・不動産、塗料・素材、環境、アジア>

住宅関連
  1. 住宅着工動向:国土交通省情報/2021年7月の新設住宅着工戸数-77,182戸で、前年同月比9.9%増。季節調整後の年率換算値/前月比6.9%増の926,000戸と3カ月ぶりに増加。※国土交通省8-31/21配信
  2. 住宅着工動向:同上/種別-持ち家は26,071戸、同14.8%増と9カ月連続で増加。貸家は29,230戸、同5.5%増と5カ月連続の増加。分譲住宅は21,480戸、同11.0%増と先月の減少から再び増加。分譲住宅のうちマンションが同9.2%増の9117戸と先月の減少から再び増加。一戸建て住宅は同13.1%増の12,242戸と3カ月連続の増加。※同上
  3. マンション動向:不動産経済研究所情報/7月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数-前年同月比6.3%減の1952戸。2020年11月以来8月ぶりに前年実績を下回る。東京23区で発売戸数が増え、神奈川県や埼玉県などで減少。契約率/68.3%、前年同月を5.9%上回り、好調の目安の70%前後維持。※日経8-20/21P15
  4. 住宅:オ-プンハウス/2021年9月期連結見通し-増収増益。主力の戸建て関連事業が好調。コロナ禍で在宅時間が増え、住環境を賃貸住宅から戸建てへ変える需要が増加。住宅ロ-ンの低金利も追い風となる。1月に連結子会社化した投資用マンションのプレサンスコ-ポレ-ションも寄与し増収増益。利益は過去最高に。※日経8-3/21P7
  5. 住宅:オ-プンハウス/2023年9月期での売上高1兆円の達成を見据えて、4月には戸建て事業での関西進出を強めるといった対策を実施。木材供給不足「ウッドショック」の今期業績への影響は限定的になる見通し。※同上
  6. 住宅:オ-プンハウス/金融業に参入。住宅の購入者が入居後の電気代などを一括で引き落としできるネット銀行を5日に開設。住宅の売却後も安定して決済手数料を得られる事後モデルを構築し、年間1万件規模の契約数を目指す。将来は独自の住宅ロ-ンの提供やネット銀行システムの中小工務店への開放も視野に入れる。※8-3/21P15
  7. 住宅:ヒノキヤグル-プ/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高514億円(前年同期/475)、経常益13.58億円(同/12.08)、利益5.64億円(同/3.96)。21年12月期連結見通し/売上高1200億円、経常益65.61億円、利益34.72億円。※日経8-11/21P16
  8. 住宅:住友林業/2021年6月中間期連結-増収増益(決算期変更で9カ月決算)。売上高6328億円(前年同期/5259)、経常益518.48億円(同/287.25)、利益291.92億円(同/162.61)。住宅着工需要が停滞した20年4-6月からの反動の影響も。21年12月期連結見通し/売上高13100億円、経常益1000.00億円、利益600億円。※日経8-11/21P16
  9. 住宅:住友林業/同上-国内外で住宅販売が堅調に推移した。事業別の売上高/海外の住宅・不動産事業-27%増の2798億円。国内の住宅・建築事業-10%増の2472億円。木材価格の高騰「ウッドショック」は「住宅価格を見直しているが業績には影響しない」と。木材事業-木材価格高騰で2%増の984億円。※同上
  10. 住宅:日住サ-ビス/2021年6月中間期連結-最終黒字化。売上高34億円(前年同期/26)、経常益1.00億円(同/▲1.08)、利益0.25億円(同/▲0.98)。21年12月期連結見通し/売上高66億円、経常益0.70億円、利益0.60億円。※日経8-11/21P16
  11. 住宅:穴吹興産/2021年6月期連結-経常減益。売上高1047億円(前期/953)、経常益55.46億円(同/56.20)、利益36.85億円(同/32.82)。22年6月期連結見通し/売上高1110億円、経常益50.00億円、利益33.00億円。※日経8-12/21P16
  12. 住宅:米カリフォルニア州の砂漠地帯に位置するランチョミラ-シュ/この地域の一角に、2021年中に計15戸の「印刷」された戸建て住宅が建つ計画が動き出す。手掛けるのは米建築スタ-トアップ、マイティ・ビルディングなどだ。同社/自社工場で3Dプリンタ-で住宅を製造。そのまま大型トレ-ラ-で運んで施工するビジネスモデルだ。※日経8-13/21P14
  13. 住宅:同上/3Dプリンタ-には事前に図面デ-タを入力。デ-タ通りにノズルを動かし、紫外線を当てるとすぐに硬くなる特殊な建築資材を噴射して積み重ねる。例えば、天井部分の工程では柱やパネルを設置した後、上から覆うように建築資材を噴出して成形していく。固まった層は外壁や床材などになるため、大がかりな現場工事はいらない。※同上
  14. 住宅:同上/一人暮らしなどに向く小型住宅なら、10日程度で製造から施工までできるという。同社のCEO/「従来の建築工法と比べて費用は30%削減できる」と自信を見せる。昨年から同州で住宅を供給。日本市場への参入に向けた検討も開始。3Dプリンタ-を使った建築は世界で広がっている。アラブ首長国連邦やオランダオランダでも。※同上
  15. 住宅:同上/3Dプリンタ-メ-カ-のサイビ・コンストラクションは10台以上の納入実績、数分で固まる素材も開発。国内大手も動く/大林組-3Dプリンタ-で高さ2.5m✕幅7mの大型ベンチを試作。22年にも3Dプリンタ-の商業化を目指す。竹中工務店-オランダのスタ-トアップと共同で3D技術の検証を進め、23年以降にイベント施設などの建築向けに導入検討。※同上
  16. 住宅:中古住宅/東日本不動産流通機構情報-中古住宅の不足感が強まる。6月の在庫数/マンションが6年ぶり、戸建ては現行統計の開示開始の2002年以降で最低。在宅勤務の広がりを背景に新たな住まいを探す人が多い半面、住宅を売り出す人が少ないためだ。品薄感から住宅価格が上昇/相場高で購入意欲の低下を懸念。※日経8-3/21P17
  17. 住宅:中古住宅/同上-6月の首都圏の中古マンションの在庫件数は前年同月比26%減の33,641件。19カ月連続で前年実績を下回り、15年4月以来の少なさだ。新規登録件数/22カ月連続で減少。中古戸建ての6月の在庫件数/14,159戸と13カ月連続で減り、過去最低。新規登録件数/16カ月連続で前年実績を下回った。※同上
  18. 住宅:中古住宅/東京カンテイ情報-7月の中古マンション平均希望売り出し価格(70㎡換算)は首都圏で4218万円と6月比で104万円(2.5%)上昇。値上がりは3カ月連続。5月以降、過去最高値の更新が続いている。都心部に比べ、割安感のある地域の価格上昇が目立った。※日経8-27/21P22
  19. 住宅:中古住宅/同上-東京23区は51万円(0.8%)高い6380万円で、13カ月連続で上昇。城南・城西6区(品川、目黒、太田、世田谷、中野、杉並)は108万円(1.8%)高い6126万円と、物件価格の上昇をけん引した。江東区や豊島区などの城北・城東11区は1.6%上昇。※同上
  20. 住宅:中古住宅/同上-東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)は9171万円と7万円(0.1%)の上昇にとどまった。東京カンテイ/「価格水準が高い千代田区や港区は特に値上がりが鈍い」と指摘。東京都全体/89万円(1.6%)高い5800万円。埼玉県/2.6%高い2530万円、千葉県/2.6%高い2350万円。※同上
  21. 住宅:中古住宅/同上-近畿圏は40万円(1.6%)高い2619万円、中部圏は42万円(2%)上昇し2115万円。※同上
  22. 住宅:政府/国土交通省などによる有識者会議が報告書をまとめた。住宅・建築物分野の省エネルギ-対策の工程表を示した。戸建てやマンションなど新築住宅/2025年度から断熱材の活用などで省エネ基準を満たすよう義務づける。商業ビルなど建築物/段階的に基準を厳しくし、50年までの脱炭素社会の実現をめざす。※日経8-11/21P5
住宅リフォーム関連
  1. 住宅リフォ-ム:国土交通省/住宅の省エネルギ-化を交付金で支援。戸建てやマンションの改修工事で断熱材などを活用する場合、費用の一部を自治体を通じて補助する。新築だけでなく既存住宅の取り組みをテコ入れすることで家庭の省エネを加速させる。※日経8-25/21P5
  2. 住宅リフォ-ム:同上/2022年度予算の概算要求に盛り込む。標準的な住宅の省エネ改修を対象にした支援措置は初。公共工事に充てる「社会資本整備総合交付金」などを原資として活用。対象/外壁や窓の断熱性能を高める改修工事。家全体ではなく部分的な改修も認める。費用の一部、1件あたり最大50万~100万円を補助する方向で調整。※同上
  3. 住宅リフォ-ム:ミサワホ-ム/東京都文京区にある賃貸マンションの1階で、コワ-キングスペ-スを9月1日に開業。築年数の古い物件を改築し、入居者や地域住民が仕事や休憩に使える施設を整備した。コロナ禍で普及したテレワ-クに対応した共用施設を設けて古い物件の資産価値を向上させる。※日経8-28/21P13
住宅ロ-ン関連
建材・住設・家具関連
  1. 建材:立川ブラインド工業/2021年6月中間期連結-減益。売上高202億円(前年同期/202)、経常益24.55億円(同/25.62)、利益15.79億円(同/16.04)。21年12月期連結見通し/売上高420億円、経常益48.50億円、利益30.50億円。※日経8-4/21P21
  2. 建材:大倉工業/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高422億円(前年同期/381)、経常益35.65億円(同/21.29)、利益26.26億円(同/13.83)。21年12月期連結見通し/売上高855億円、経常益53.50億円、利益32.00億円。※日経8-12/21P16
  3. 建材:建築用ガラス/値上げが相次いでいる。日本板硝子/10月1日出荷分から15-35%引き上げると表明。燃料に使う重油などの上昇を製品価格に転嫁。上げ幅/窓ガラスに使う板ガラスが15-35%、断熱性を高めたり飛散防止機能をつけたりした「建築用機能ガラス製品」が15-20%など。※日経8-7/21P20
  4. 建材:建築用ガラス/同上-セントラル硝子は10月1日納入分から最大40%の値上げを打ち出した。値上げ幅/一般的な板ガラスの「フロ-ト板ガラス」と「鏡」が15-20%、主に浴室向けの「型板ガラス」や防火機能がある「網入り型板ガラス」が35-40%などとなる。AGCは最大30%の値上げを表明済みだ。各社の値上げ表明は2年ぶり。※同上
  5. 建材:塩化ビニ-ル管(塩ビ管)/水道管などに使う塩ビ管の販売価格が上昇。積水化学工業やクボタケミックスなどが約3年ぶりに打ち出した値上げを管材流通各社がおおむね受け入れた。背景/原料の塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)の高騰に加え、米国の住宅向けやアジアの新興国のインフラ向け需要増などで海外での塩ビ管価格の上昇。※日経8-14/21P20
  6. 建材:塩化ビニ-ル管(塩ビ管)/同上-上げ幅。塩ビ管の指標となる薄肉管(4m✕直径100mm)/10%程度高くなり、1400-1650円。積水化学工業/5月出荷分から15%以上、クボタケミックス/6月出荷分から20%以上の引き上げを発表していた。積水化学工業/塩ビの値上げを受け、9月21日出荷分から10%以上の再値上げ表明。※同上
  7. 建材:塩化ビニ-ル管(塩ビ管)/クボタケミックス-水道管などに使う塩ビ管を10月1日出荷分から10%以上値上げする。継ぎ手も8%以上引き上げる。7月に塩化ビニ-ル樹脂が一段高となったのを受け、塩ビ管の再値上げに踏み切る。※日経8-24/21P19
  8. 建材:石こうボ-ド/石膏ボ-ド工業会情報-2021年1-6月の石こうボ-ドの出荷量は2020年1-6月比で5.4%少ない2億1700万3000㎡。5月に単月で16カ月ぶりに出荷量が増加に転じたこともあり、21年4-6月では20年4-6月比0.3%減とほぼ前年並みとなるなど、マイナス幅は縮小傾向。住宅向けは出荷が増えそうだ。※日経8-17/21P22
  9. 建材:セメント/セメント協会情報-7月のセメントの国内販売量は3,305,409トンと、2020年7月比0.5%減。4カ月連続で前年同月を下回った。ホテル工事の停滞などの影響のほか、7月後半に続いた雨が響いた。東京を含む関東一区が1.2%減と、5カ月ぶりに前年を下回った。沖縄/32.6%減、13カ月連続で減少。その他地区は増加。※日経8-31/21P17
  10. 建材:鋼板/製造業で幅広く使う薄鋼板(厚さ3mm未満の鋼板)の流通価格の上昇が続いている。代表的な熱延鋼板の1.6mm品の東京地区の価格/現在-1トン117,500円前後と前月比5000円(4%)高い。コロナ禍で下落した昨年の底値からの上昇率/55%。慢性的な需給の逼迫を背景に、メ-カ-の値上げが流通市場に浸透。※日経8-11/21P20
  11. 建材:鋼板/輸入材も不足している。輸入材3品種(厚鋼板、熱延コイル、冷延コイル)の6月末時点の岸壁在庫/128,000トンと前年同月比19.5%少ない。熱延コイルの輸入品/東京地区-現在、1トン117,500円前後と前年同月比9割高い。※同上
  12. 建材:鋼板/日本製鉄-原料高などを理由に9月出荷相当分から薄鋼板を追加で1トン10,000円値上げする。流通価格には一層の上昇圧力がかかっている。※同上
  13. 建材:鋼板/薄鋼板の主要3品種(熱延、冷延、表面処理)のメ-カ-・流通の国内在庫-6月末時点の速報値は3,882,000トンと5月末に比べて24,000トン(0.6%)減った。大型連休の影響で前月に積み上がった在庫の消化が進んだ。前年同月比では419,000トン(9.7%)少ない。※日経8-12/21P20
  14. 建材:鋼板/東京製鉄-9月の契約分について、製造業や建築など幅広い分野で使う酸洗鋼板を前月から1トン3000円(2%)引き上げる。機械や建材向けの需要回復などを受け、3カ月ぶりに値上げする。新価格/126,000円。その他の品種/前月から据え置く。世界的に製品価格の上昇は一服/値上げの浸透度を見極めると。※日経8-18/21P17
  15. 建材:建設用鋼材/日鉄建材-軽量形鋼や角パイプ(角形鋼管)など建材製品の販売価格を9月分から追加で1トン10,000円値上げする。材料となる薄鋼板の価格上昇が続き、製品価格に転嫁。値上げは2カ月ぶり。※日経8-12/21P20
  16. 建材:建設用鋼材/「ときわ会」情報-7月末時点のH形鋼在庫は全体で188,500トンと前月末から8300トン(4%)減。減少は4カ月連続。2020年12月末以来7カ月ぶりの低水準。小規模の鉄骨造(S造)の建築着工が持ち直しており、問屋や特約店などの流通業者からの出庫が増加。日本製鉄/8月契約分は前月から据え置く。※日経8-19/21P17
  17. 建材:建設用鋼材/日本製鉄-自動車や建材などに幅広く使う鋼管の一般流通(店売り)向け価格を11月製造分から1トン1万円引き上げる。原料価格や物流費の上昇分を製品価格に転嫁して採算改善。国内外の鋼材需給の逼迫もふまえた。値上げは9月製造分以来、2カ月ぶり。対象/炭素鋼板の全品種。値上げ/今年4回目。※日経8-27/21P22
  18. 建材:ステンレス/日鉄ステンレス-厨房機器や自動車部品などに使うステンレス冷延薄鋼板の一般流通(店売り)向け価格について、8月契約分からニッケル系を1トン5000円(1%程度)引き上げる。原料のニッケル価格の上昇を反映。ニッケル系の値上げは3カ月連続。クロム系は据え置く。※日経8-12/21P20
  19. 建材:産業資材/景気動向に敏感な企業間取引価格を基に算出する日経商品指数42種(1970年=100)の8月末値-211.430と、7月末の209.955を超えた。2020年8月比では40.568ポイント(23.7%)高く、8カ月連続で前年実績を上回った。背景/ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂の価格が約4%値上がりした。※日経9-1/21P19
  20. 建材:産業資材/同上-合成樹脂の価格動向。日経42種の構成品の低密度ポリエチレンは1kg240-270円程度、ポリプロピレンは同240-280円程度と7月比でいずれも10%(4%)ほど上昇。14年7月以来の高値。塩化ビニ-ル樹脂は7月下旬に同185-197円と6月比10円(6%)程度上昇。ポリスチレンは7月に同220-240円と6月比で約13%高。※同上
  21. 建材:産業資材/同上-合成樹脂の値決めは国産ナフサ価格が指標。4-6月期の国産ナフサ価格/1キロリットル47,700円と1-3月比約2割高い。足元のスポット価格が続けば、7-9月期は同53,000円前後となる計算だ。日経42種には変調の兆しもある/42種をけん引した石油や非鉄などの指数はなお大幅に高いが、前月比では下落した。※同上
  22. 住設:長府製作所/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高217億円(前年同期/197)、経常益18.65億円(同/12.66)、利益13.28億円(同/7.47)。21年12月期連結見通し/売上高457億円、経常益44.00億円、利益31.00億円。※日経8-4/21P21
  23. 住設:ノ-リツ/2021年6月中間期連結-黒字化。売上高940億円(前年同期/833)、経常益47.68億円(同/▲1.56)、利益50.28億円(同/▲67.67)。21年12月期連結見通し/売上高1910億円、経常益72.00億円、利益76.00億円。※日経8-12/21P16
  24. 家具:カッシ-ナ・イクスシ-/2021年6月中間期連結-減益。売上高56億円(前年同期/56)、経常益2.77億円(同/3.36)、利益1.54億円(同/1.77)。21年12月期連結見通し/売上高120億円、経常益7.50億円、利益4.20億円。※日経8-6/21P18
  25. 家具:イト-キ/2021年6月中間期連結-減収増益。売上高615億円(前年同期/647)、経常益28.30億円(同/25.06)、利益22.90億円(同/12.03)。21年12月期連結見通し/売上高1140億円、経常益19.00億円、利益7.00億円。※日経8-7/21P16
合板・木材関連
  1. 合板:セイホク/住宅の壁や床に使う国産針葉樹合板を、8月出荷分から5%引き上げる。7月に続く大幅値上げとなる。世界的な木材高の影響で原料となる国産丸太の価格が上昇しており、転嫁を進める。値上げしたのは厚さ12mmの構造用合板など全品種。需要家のプレカットメ-カ-が受注制限を解除、引き合いは強い、8月受注好調。※日経8-7/21P20
  2. 合板:在庫も低水準/農林水産省情報-6月末の国産針葉樹合板の在庫は、92,177立方mと前月末比で4.3%、前年同月比では46.8%少ない。※同上
  3. 合板:輸入合板/型枠用合板の輸入物の国内流通価格が最高値を付けた。主産地の東南アジアからの供給停滞などで入荷が少なく、品薄感が強い状態が続く。指標となる12mmの問屋卸価格(東京地区)/1枚1470円(中心値)。7月比40円(3%)高く、最高値を付けた。※日経8-26/21P23
  4. 合板:輸入合板/キッチンや家具などに使う普通合板も値上がりした。中厚物と呼ばれる4mm品/不足感が強く、流通価格は870円と45円(5%)高い。東南アジアでコロナ禍が再拡大。工場の稼働率が低下している。※同上
  5. 合板:国産合板/住宅の壁や床に使う国産針葉樹合板も一段と上昇した。国産針葉樹合板の問屋卸価格/1枚1075円(中心値)と7月比30円(3%)高く、20年5月以来の高値だ。木材の国際相場高「ウッドショック」で輸入材の代替として国産材の需要が急増し、国産スギ丸太価格の上昇が続く影響が大きい。※日経8-26/21P23
  6. 合板:国産合板/農林水産省情報-7月末の針葉樹合板の在庫は60,617立方m。前月末比で1.7%少ない。丸太不足が顕著な西日本を中心に、合板メ-カ-が丸太を十分に確保できず、旺盛な需要に対して生産量が増えない。丸太の必要量確保のため、合板メ-カ-各社は9月出荷分から5%程度の値上げを打ち出している。※同上
  7. 木材:米国発の「ウッドショック」による木材価格高騰の影響が愛媛県の木材業界にも波及。輸入量の減少で外国産材を扱う製材会社が減産に追い込まれている。一方、県内の原木市場では平均価格が2カ月で4割以上上昇。世界的に木材需要が急増する中、県内企業も対応を求められている。※日経8-3/21P33
  8. 木材:世界の相場高「ウッドショック」の起点となった米国で先物相場が一段と下落し、5月最高値の1/3に落ち込んだ。住宅着工が遅れた影響のほか、需要家が高値を嫌気したため。一方、最高値の頃に契約した木材が日本に輸入されるのはこれからで、国内価格は上昇が続く。※日経8-4/21P19
  9. 木材:同上/米シカゴ・マ-カンタイル取引所の木材先物価格(期近)-現在、1000ボ-ドフィ-ト(約2.36立方m)あたり600ドル前後。例年の4倍以上を付けた5月の最高値から7月中旬に500ドル前後になり、足元はやや戻している。米国での住宅着工の遅れが原因とみられる。原木の供給不安はくすぶり、足元で現物の木材価格は上昇している。※同上
  10. 木材:同上/7月最終週に1000ボ-ドメジャ-あたり525ドル。5月の最高値より7割安いが、前週比では7%高い。7-9月期に最高値で決着した北米産製材品が今後入るため、国内価格は当面上昇しそうだ。※同上
  11. 木材:集成材/輸入材を使った住宅用木材の価格が一段と上昇した。梁や柱に使う集成材/指標の集成平角(4m✕10.5㎝✕30㎝)の東京地区の問屋卸価格-現在、1立方m130,000円(中心値)。前月比25,000円(24%)高く、4カ月連続で最高値更新。柱用の集成管柱(3m✕10.5㎝角)-1本4200円と同700円(20%)高い。※日経8-13/21P21
  12. 木材:集成材/同上-原料の輸入も低調。昨年からの米国の木材相場高に伴い欧州の木材メ-カ-は米国に優先的に供給していたが、米国相場が2021年5月の最高値から急落したことで欧州勢は対米輸出量を減らし始めた。しかし欧州内の住宅着工も堅調で、日本の輸入は依然少ない。※同上
  13. 木材:製材品/集成材と競合する米松製材品も1カ月ぶりに上昇した。中国木材/輸入原木価格などの上昇を受けて8月出荷分から大幅に値上げし、流通市場にも波及。梁材の米松KD平角(4m✕10.5㎝✕30㎝)の東京地区の流通価格/1立方m90,000-91,000円と前月比15,000円(20%)高い。※日経8-13/21P21
  14. 木材:製材品/同上-未乾燥のグリン材は同75,000円と10,000円(15%)上昇した。製材品/輸入物も少なく、市場は逼迫感が強い。林野庁情報/2021年1-6月の製材品全体の輸入量-約2,234,000立方mと、前年同期比17%減。※同上
不動産・建築・ゼネコン関連
  1. 不動産:東京建物/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高1625億円(前年同期/1524)、経常益281.59億円(同/170.44)、利益201.85億円(同/108.34)。21年12月期連結見通し/売上高3550億円、経常益480.00億円、利益330.00億円。※日経8-11/21P16
  2. 不動産:オフィスビル/三鬼商事情報-コロナ禍の長期化を背景に東京のオフィス賃料の下落が続いている。7月の都心の賃料/12カ月連続で下落。都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均募集賃料/3.3㎡あたり21,045円で、6月比0.54%(115円)下落。2020年7月のピ-クの23,014円から下落が続いている。※日経8-13/21P20
  3. 不動産:オフィスビル/同上-賃料の地域別。千代田区/6月比0.34%(78円)低い22,675円で、5区のうち賃料が最も高い。渋谷区/22,539円と6月比1.7%(390円)安。渋谷区は19年8月に千代田区を抜いてから5区のうち最高額だったが、2年ぶりに逆転。この1年の賃料下落率/千代田区-8.71%、渋谷区-10.02%。※同上
  4. 不動産:オフィスビル/都心5区の空室率-6.28%と、約7年ぶりの高水準となった6月から0.09ポイント上昇。供給過剰の目安とされる5%を6カ月連続で上回った。※同上
  5. 不動産:不動産サ-ビス大手のジョ-ンズラングラサ-ル(JLL)情報/2021年1-6月の東京都を中心とする首都圏への不動産投資額-前年同期比25%減の約1兆2300億円(112億ドル)。市場に出回る物件が少なかったことで海外投資家の不動産購入が減った。都市別では世界首位から4位に順位を落とした。※日経8-28/21P12
  6. 不動産:同上/JLL-世界のオフィスやホテル、物流施設などを対象に調査。1位/米ロサンゼルス-123億ドル、2位/英ロンドン-119億ドル、3位/米アグラス・フォ-トワ-ス-116億ドル。主流とされるオフィス投資のほか「物流施設や住宅への投資が世界各地で高まっている」(JLL)と。日本全体への不動産投資額/3923億円と同58%減。※同上
  7. 不動産:同上/JLL-21年の投資額は前年比6%減の4兆3000億円と予測。ただ、一部の不動産会社などで下期に物件を市場に売り出す動きがあり、通年の投資額が前年並みに近づくとしている。※同上
  8. 建設:日本建設業連合会情報/加盟95社の7月の国内建設受注額-前年同期比3.9%減の9134億円。減少は2020年9月以来10カ月ぶり。前年同月に中間貯蔵施設工事で設計変更を複数獲得したため、その反動という。民間受注額/6402億円、前年同月から横ばい。製造業は26.3%増の1872億円だった。※日経8-28/21P13
塗料・素材・原油関連
  1. 原油:日本の石油会社が長期契約で輸入する原油(DD原油)が3カ月連続で上昇。サウジアラビア産の代表油種「アラビアンライト」/7月積みが1バレル74.71ドルと、6月積み比1.4ドル(1.9%)上昇。OPEC加盟国と「OPECプラス」が7月上旬、協調減産を巡る協議で一時決裂。需給緊迫懸念から原油相場が急騰する局面があったのが影響。※日経8-3/21P17
  2. 原油:9日のニュ-ヨ-ク市場のWTI原油先物が急落、期近物が前週末比3.13ドル(4.6%)安の1バレル65.15ドルと5月24日以来、約2カ月半ぶりの安値の場面もあったが、WTIの期近物の9日終値/1.80ドル(2.6%)安い1バレル66.48ドル。10日の東京商品取引所/期近物の清算値-前週末比950円(2.1%)安の1キロリットル45,010円。※日経8-11/21
  3. 原油:ニュ-ヨ-ク市場でWTI原油先物の期近物が続伸し、前日比0.96ドル(1.4%)高の1バレル69.25ドルで取引を終えた。バンデン政権/OPECと「OPECプラス」に増産を要請する声明を出したが、短期的な影響は限定的との受け止めが広がり、反応は薄かった。※日経8-13/21P9
  4. 原油:ニュ-ヨ-ク市場のWTI原油先物の期近物が日本時間16日の時間外取引で下落し、前週末終値比1.61ドル(2.4%)安い1バレル66.83ドルを付ける場面があった。アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが15日、首都カブ-ルを掌握。混乱が周辺諸国に及び中東・アジア情勢の緊迫につながるとの見方もあるが、市場は影響を見極めている。※日経8-17/21P11
  5. 原油:原油相場が下げ圧力を強めている。18日のニュ-ヨ-ク市場/WTI原油先物の期近物-5日連続で下落し、前日比2.25ドル(3.4%)安の1バレル64.34ドルと、5月24日以来約3カ月ぶりの安値を付ける場面があった。需要の先行き懸念が一段と強まった。終値/1.13ドル(1.7%)安い65.46ドルだった。※日経8-20/21P11
  6. 原油:23日/ニュ-ヨ-ク市場でWTI原油先物が8営業日ぶりに急反発し、この日から期近となった10月物は前週末比3.50ドル(5.6%)高の1バレル65.64ドルで取り引き終えた。米株式相場の上昇を受けて投資家心理が改善し、前週に売った投資家の買い戻しが進んだ。※日経8-25/21P9
  7. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/建設資材や日用品などに使う塩ビの国内取引価格が直近で6%上昇し、約7年ぶりの高水準。原料・ナフサの高騰で主原料のエチレンが上昇。コスト高を受けた塩ビメ-カ-各社の値上げを需要家が受け入れ始めた。※同上
  8. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/東京地区の需要家渡しの価格-1kg185-197円と7月中旬比10円(6%程度)上昇。4月に続く値上がり、2014年12月中旬以来の高値。信越化学工業、大洋塩ビ、新第一塩ビなど国内各社がナフサ高を理由に5月以降に打ち出していた1kg10-12円の値上げを建材業界やフィルム業界などの需要家が受け入れた。※同上
  9. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/塩ビ工業会・環境協会情報-6月の塩ビの国内出荷は91,288トン、20年6月に比べて18.3%増。3月以降は前年実績を上回り、コロナ禍の影響で需要が落ち込んだ昨夏から持ち直している。※同上
  10. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/輸出価格の上昇は一服。国内大手の8月積み輸出価格-インド向けは1トン1450-1460ドルと7月積み比で上限が40ドル(約3%)下落。中国向けは同30ドル(約2%)安い1210-1220ドル。いずれも3カ月連続で下落。国内各社が値決めの参考にする台湾塩ビ大手の取引価格/インド向け1330ドル、中国向け1210ドル。※同上
  11. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/輸出価格が4カ月ぶりの上昇に転じた。国内大手メ-カ-の9月積み輸出価格/インド向け-1トン1550-1600ドルと、8月積みと比べて上値が140ドル(約10%)切り上がった。中国向け-同60ドル(約5%)高い1270-1280ドル。※日経8-28/21P18
  12. 素材:塩化ビニ-ル樹脂(塩ビ)/同上-国内各社が値決めの参考にする台湾の塩ビ大手の9月積み価格/インド向け-同80ドル高の1410ドル、中国向け-同60ドル高の1270ドルで決着したもよう。インド/一時期よりコロナ禍が改善に向かい、塩ビの在庫を積み増す動きがあるという。景気回復が価格上昇につながった。※同上
  13. 素材:ナフサ/合成樹脂の値決めの参考とする国産ナフサ価格-原油高に加え、石油化学製品の需要回復で、上昇が鮮明。4-6月/1キロリットル47,700円と、前の四半期比2割強上がり、1年ほどで2倍になった。1トンあたり700ドルに迫る足元のスポット相場の水準で推移すれば、7-9月の国産ナフサ価格は5万円前半に上がる計算になる。※日経8-4/21P19
  14. 素材:DIC/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高3917億円(前年同期/3437)、経常益282.39億円(同/155.58)、利益160.28億円(同/103.34)。21年12月期連結見通し/売上高8400億円、経常益475.00億円、利益220.00億円。※日経8-11/21P13
  15. 塗料:日本ペイントホ-ルディングス/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高4976億円(前年同期/3454)、経常益481.95億円(同/339.91)、利益337.31億円(同/168.90)。21年12月期連結見通し/売上高10100億円、経常益1010.00億円、利益780.00億円。純利益/前期比75%増。中国やトルコで建築用塗料の販売が伸びた。※日経8-11/21P16
  16. 塗料:日本ペイントホ-ルディングス/体質転換に乗り出す。建築用など汎用品に比べ手薄だった車向けなど高付加価値製品を伸ばす(同社/建築用が主力で、車用の売上高は全体の2割)。起点のひとつが15年ぶりの国内新工場だ(国内で2022年に岡山県に建てる/築50年以上の広島県の拠点から移す)。生産システム刷新。※日経8-18/21P16
環境関連
  1. 省エネ:大成建設/既存のオフィスビルや工場などでエネルギ-消費量の実質ゼロを目指すリニュ-アル事業に乗り出す。需要を捉え、近い将来には1年当たり10-20件の受注を狙う。目指すのは、既存のビルや工場について、建物で使うエネルギ-消費量を実質ゼロにする「ZEB」(ネット・ゼロ・エネルギ-・ビル)の認証取得だ。※日経8-17/21P16
  2. 省エネ:同上/オフィスビルでは、窓ガラスの断熱材を工夫するなどで消費エネルギ-を50%以上削減する「ZEB Ready」を実施。工場は、生産設備を除いてエネルギ-の消費量を実質ゼロにする。設備の効率化に加え、工場の屋根には太陽光パネルを設置することでCO2フリ-の電源を生み出す。第一弾/大成建設のグル-プの物件で実施。※同上
  3. 省エネ:ヒュ-リック/2030年までに国内で保有するオフィスなど約300施設の使用電力(3億1000万kw時)を100%再生可能エネルギ-に切り替える。当初目標の50年から20年前倒しする(政府の目標/30年度に温暖化ガスを13年度比で46%削減)。600億円を投じ、関東や東北に太陽光発電所を整備し、自社で発電した電力でまかなう。※日経8-21/21P12
アジア関係/その他
  1. アジア:タイ/東急不動産-バンコクで現地不動産大手オリジンと合併で複合施設を開発する。ホテルやオフィス、商業施設を含む31階建てのビルで、2023年9月竣工を見込む。開発する施設の名称/「ワンパヤタイ」-敷地面積2800㎡、延べ床面積26,821㎡。REITの価格/約118億円。東急不動産/これまで中国やインドネシアなどで開発、タイは初。※日経8-3/21P12
  2. アジア:中国/当局-マンション取引の規制を強める。不動産高騰への社会の不満が強いためで、今後3年で投機や違法取引を抑え込む方針だ。主要都市で住宅購入に資格制を設けたり、中古物件の売買価格に当局が介入したりしている。中国の不動産市場/コロナ禍対応の金融緩和であふれたマネ-が流れ込んできた。※京貿
  3. アジア:中国/オフィス空室率が高止まりしている。新型コロナウイルス流行後に事務所を移転・縮小する企業が増え、経営者のコスト削減意識が続く。市況悪化で不動産開発中堅のSOHO中国は米投資ファンドへの身売り方針を決めた。大手の緑地控股集団は住宅事業へのシフトを急ぐ。政府/超高層ビルの建設を禁止するなどバブルを警戒。※日経8-14/21P12
  4. 海外:米国/大和ハウス工業-米国で戸建て住宅事業を展開するキャッスルロック(テキサス州)を買収(8月中に持分の80%を取得)。買収額/約448億円。米国は住宅需要が旺盛。大和ハウス工業/米国東部や西部で戸建てを販売しており、販売地域を拡大して、海外売上高を伸ばす。両社を合わせた戸建て販売戸数は計5000戸。※日経8-11/21P16
  5. 海外:米国/同上-キャッスルロックは2004年に設立。米テキサス州で戸建て販売や土地開発を手掛け、1戸当たりの平均単価は3000万円ほど。2020年の連結売上高は約535億円(約4億8400万ドル)。テキサス州/石油・エネルギ-産業やハイテク産業などが集まり、他の州からの移住も増加。米国最大の住宅市場の1つ。26年に10,000戸の販売を目指す。※同上
  6. 海外:米国/全米で住宅価格の上昇が加速している。2020年は在宅勤務の広がりで郊外物件が人気を集めたが、金融緩和の長期化で投資熱の強まるなか、最近は都市部の高騰も目立つ。低所得者層が住宅を買いづらくなっているほか、バブルへの警戒論も広がっている。※日経8-11/21P11
  7. 海外:米国/同上-全米の住宅価格指数の上昇率は5月に前年同月比16.6%に達し、1987年の公表以降で最大だった。金融危機の起点となった00年代半ばの住宅バブルを上回る。全米の住宅価格指数を算出するS&Pダウ・ジョ-ンズ・インディシ-ズ/「勢いの強さを表現する言葉が見当たらない」と。※同上
■トピックス
  図書紹介
  • 図書名:森林で日本は甦る-林業の瓦解を食い止めよう
  • 著 者:白井祐子
          慶応義塾大学准教授。早稲田大学理工学部建築学科卒。稻門建築会賞受賞。
          株式会社野村総合研究所研究員、早稲田大学理工学術客員教授などをつとめる。工学博士。一級建築士。著書に「森林の崩壊」。
  • 出 版:株式会社新潮社/新潮新書 2021年6月20日発行 価格/720円+税
  • 帯/表:補助金/新税/現実離れした制度
          このままでは「宝」の持ち腐れだ。ウッドショックに揺れる現場から鋭く問う!裏:森と木をめぐる問題は日本社会の欠点を映し出す鏡だ。相手は自然である。人の思い通りには、到底ならない自然だからこそ、我々の「大失敗」を分かり易く教えてくれる。本書で触れた疑問のほとんどは、自然現象や社会現象でもなく、人が作った社会の仕組みの問題である。(本文より)
  • 目 次
      はじめ
      第1章 日本の建築基準法には自国の伝統木造は存在しない
          木の長所と魅力を生かした伝統的な構法がないがしろにされている。
          大工棟梁の技能も伝統構法も世界に誇れるものなのに・・・。
      第2章 自国の伝統文化は国益に直結する
          景観や建築を自国の財産としてきたフランス。
          思想も哲学もない日本の建築基準法は一体どこを目指しているのか。
      第3章 山麓の小さな製材所が持つ大きな可能性
          木材の良さを生かせない制度、政策が価値を下げている。
          闇雲な大規模化を目指す前に足元にある知恵を見直すことがチャンスを生む。
      第4章 誰のためのバイオマス発電か
          あまりに違う欧州の真似をしても資源も産業も疲弊する。
          バイオマスは、エネルギ-を使う現場から考える。
      第5章 美しい山林から貴重な銘木が採れる列島なのに・・・
          かつて銘木には1本3000万円以上で取り引きされるものもあった。
          いまでも価値ある木は存在しているはずなのだが・・・。
      第6章 森林資源の豊かさと多様性を生かせない政策
          諸外国が羨むほどの森林資源を活用できないのはなぜか。
          豊かな資源で海外へ、将来へ打ち出す戦略を。
      第7章 山中で価値ある木々が出番を待っている
          日本の木の素晴らしさを日本人はどれだけ知っているのだろう。
          この価値を高める製材業と林業の復活を。
      第8章 林業機械から分かること
          欧州の林業技術展の面白さはどこからくるのか。
          日本は何よりもまず死傷事故を減らすこと。
      第9章 いつの間にか国民から徴収される新税
          補助金で縛るほど、林業は廃れる。
          本質的な改革と成長は、おのれの意欲と意志で動き出すことから。
      おわりに
      <コメント/著者は①補助金漬けは林業関係者の「自立心」蝕み、林業衰退を加速させている。②日本の林業は欧米のような大量生産大量消費的ではなく、多品種少量生産的な生産形態に適している(山の日本と平野の欧米)。③日本の伝統的な木材利用システムを見直すべきなど、問題点の指摘と日本の林業の再生についての提案をされて いる。木材に関係する方々には一読に値する図書>
  ■情報源:※日経=日本経済新聞 四国版 ※京貿=日本国際貿易促進協会京都総局
          ※国貿=国際貿易          ※高新=高知新聞