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・・・・・(1)中国情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中国レポート
中国の諸問題と中山市のマンション事情
3月に入って日本(名古屋)は急速に暖かくなってきましたが、特に土日にかけて風
の強い日が多く趣味のラジコン飛行機も思うように楽しめていません。
なにかと話題を欠かせない中国ですが、今度は大気汚染PM2.5と黄砂が偏西風に
乗って運ばれ日本にも影響を与えると報道されていますし、日本ではあまり報道され
ていませんが中国での水道水の安全性に関して疑問視する報道や、インターネットで
の情報が中国国内においてあふれており、大きな問題に発展してきています。
問題点としては水源が汚染されている事で、現時点における飲料水に適合する中国
の水道水の水源は50%に満たないとされています。
中国全土において、水道水はもともと浄化設備等の質が良くない事で沸騰させないと
飲めないと言うのが常識化されているのですが、有機汚染物質や重金属イオン等は沸
騰しても取り除くことができないと言われており、水道水は使わないで業者の宅配する
飲料用の水を買ってきて使ったり、アメリカ・ヨーロッパ・日本の浄水器を設置して対応
する家庭が増えてきているようです。
ミネラルウオーターとして売っている物や、宅配の水がはたしてどのレベルまで信用
できるかは不明で、浄水器にしてもあるレベル以上の水道水であれば効果はあるので
しょうが、水源に問題があれば何ともならないのではないかと思います。
自動車本体には排ガス規制が備わっているのですが、使っているガソリン自体が悪
質で鉛等が含まれていれば、どうしようもないというのと同じレベルでしょう。
このような報道が中国国内でエスカレートしてきており、同時に食糧に対する安全に
関しても問題があるという情報が再燃してきており、特に幼い子供を持つ家庭において
は中国製の粉ミルクはダメだとか、加工品に対する不信感や生鮮品に関しても販売店
を選ぶ等の行動が富裕層を中心に顕著になってきているようで、これらは現中国政府
に対する不信感がより大きくなってきている現れかもしれません。
しかしながら、中国の景気は目に見えて回復してきているように思え、一時落ち着い
ていたマンション建設が、又最近増えてきたように感じています。
私たちの中国拠点である中山市においては、高層マンションや新しい商業施設の建
設が目立つようになってきて、人口から推測してもまだ作るの?と思うのですが、それ
なりにまだまだ作れば売れる状況があるようです。
中山市は珠江デルタ地域の中心にあり、周囲が広州市・珠海市・沸山市等の大都市
に囲まれており、現時点においても高速道路や高速鉄道・高速フェリーを使って、香港
国際空港・マカオ国際空港・広州空港・深セン空港・珠海空港の5か所の空港に2時間
以内で行ける立地条件が揃っており、高速鉄道の駅が市内に5か所あり広州南駅(高
速鉄道の広州新駅)
までは30分位、珠海駅までは15分位と通勤圏内に入ってきています。
さらに現在中山市と深セン市を直接繋ぐ高速道路用の海底トンネルの工事が進んで
おり、開通すれば深セン空港まで30分程度の距離になる事や、精一機械が在る南朗地
区から珠海に行く地区において、広東省として観光地化する予算を中山市に付けたとい
う報道がされており、周囲の大都市のマンション価格に比べて現時点でかなり単価が安
い事もあり、投資目的での需要もかなりあるようです。
マンションを買って内装工事を行い、賃貸として貸し出すケースが多いのですが、中山
市のンション価格は平均5000元(75000円)/㎡ で、一戸の平均面積は120㎡程度
だと、600000元(900万円)になり、内装に安くて200万円かかったとして、家賃は高く
て3000元(45000円)/月なので、基を取るには20年以上かかる事から商売としては
成り立つことは考えにくく、あくまで値上がり期待の投資目的の購入が多いと考えられます。
少しお金に余裕のある人々は、数件のマンションを買って賃貸する事で自分の生活費
が十分賄える(2件の賃貸物件を持っていれば、中堅サラリーマン並みの所得が得られ
る)構図があり、その事もマンション需要を支える大きな要因になっているのではないかと
考えています。
このように、人口の多さを背景に、中国の経済事情が日本に居ては理解できない構造
で動いている面もあり、大気汚染や水質汚染・食材の不安を抱え、政府に不満を持ちな
がらでも自己の生活を安定させる術を模索しながら一生懸命生きていく人々を直接見て
いると、いろいろな問題において単純に中国を批判する気にはなれなくなっている、自分
がある事を否定できません。
2013年03月10日
車田 修
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