長春市は吉林省の省都になっており、人口は約760万人、吉林省の28%位がここに集中
している大都市ですが、市の中心地に高層ビルが乱立する光景は見られず、郊外の最近建
てられている高層マンションも20階前後が多いようですが、最近急激に都市郊外に住宅地や
工業地域が広がっていく傾向があり、高速鉄道や地下鉄の建設も合わせて進められているよ
うです。 市内の中心部には1970年代後半から1980年代に作られたと思われるビルやアパー
トがまだ多く残されており、スクラップ&ビルドが少しずつ進んで行っていると思われますが、歴
史的な建築物も多く有る中で、町の雰囲気を保存しながらの開発が進められているのかもし
れません。
産業は第一汽車の拠点の一つで有り、長春第一自動車製造工場との合弁会社として、
フォルクスワーゲン・アウディー・トヨタ・マツダ等が有り、主にトヨタはランドクルーザー、マツダはマ
ツダ6を生産しているとの事、市内でも雪国で有ることもあり、ランクルが多くみられる地域です。
東北地区は国営企業が多く残存しており広東省と違って民間の資本が入っても国営色が濃
く、仕事の進め方や食事の時の風習も数十年前の雰囲気を感じるような気がします。 又、
文化的には長春映画製作所があり、中国の映画製作の拠点としても有名な地域です。
農業はトウモロコシ・稲・大豆の主要生産地で、一歩郊外に出ると広大なトウモロコシ畑が広
がっています。
歴史的には、1932年~1945年にかけて旧満州国の首都(新京)として日本が実質統治し
ていた時代に、中心部の都市形成が行われており、現在も当時の建物が多く残されています
が、当然なことかもしれませんが、当時多く有ったと思われる日本的な文化や風習はほとんど見
られないようです。