中国レポート
中国経済と中国人のマナー改善?
中国の低迷する経済は、昨年6月から中国政府と金融機関による引き締め策が発端
となり、急激に中小企業の仕事が減る中、休業・廃業に追い込まれる現象が起きていま
したが、もともとリーマンショックの世界的な不況による輸出の低迷を、内需拡大策を取る
目的で補助金等市場に大量のお金を投入した結果のインフレ(特に不動産の急激な高
騰)を抑制する為に取った政策で、大都市の住宅(マンション)価格は20%以上下落し
て地方都市の住宅価格も下がり始めてきています。
昨年12月から中国政府は金融緩和策に転換して、預金準備率を12月と今年2月
に引き下げていますが、世界経済は立ち直るどころかアメリカの景気も思ったように回復し
てこない、又ヨーロッパの債務危機の影響による輸出の伸び悩みから、中国国内の景気
も個人所得は最低賃金を上げる政策により確実に上がって来ている事に比例するように、
一般個人消費の食料品や生活必需品等は原油の高騰の影響もあり確実に値上がりし
ている状況で、一向に景気の回復が見えてこないのが現状です。
特に国内の住宅市場と企業の設備投資の低迷が顕著で、海外企業関連は別として
中国の国営企業や中堅企業の設備投資はこの一年低迷を続けており、各業界での再
編成の動きが活発化してきていますが、精一機械に置いても今年の春節以降の取引企
業からの引き合いが増えて来ている割には、大型の受注が先送りになる現象が続いて居
ました。
5月12日に中国人民銀行は18日から再度、預金準備率を0.5%引き下げる事を
発表して、中国政府の金融緩和政策により国内景気を下支えする姿勢を明確にしまし
た。
又、不動産・住宅低迷に対する政策も広東省などでの過剰な供給が開発を押さえて
いる原因になってはいますが、地方都市や低所得者向けの福祉住宅の建設の増強を打
ち出したり、不動産価格を上げないで、住宅の需要と販売を促進させる事が重要となる
為、ローンの頭金の比率を下げたり等の各地方での様々な政策が打ち出されてきており、
政府の地方都市を中心とした公共賃貸住宅事業への660億元の補助金を支出する
政策等もあり、建材業界では住宅産業を中心に景気の回復が確実に進むと考えている
様です。
今年の後半は精一機械も中国の国内需要が回復すると見ており、現在引き合いがあ
る案件を中心に営業面に力を入れていく事になると思われます。
話は少し飛んでしまいますが、先月中国での交通マナーが最近かなり良くなって来てい
ると話をお伝えしましたが、これは各交差点や主要道路に設置された監視カメラでの交
通違反罰金徴収制度が起因しているのではないかと考えて居ましたが、この10年で広
東省での最低賃金が3倍~4倍になり、個人の生活レベルが急激に上がって来ている事
による、個人の生活マナーが少しずつ改善されてきている事も考えられます。
まだまだ、日本や先進国の平均レベルに比べればモラルの低さは目立つのですが、5年
位前まで頻繁に起きていた町中でのひったくり等も最近耳にしなくなったり、中山市内の
各所にレンタル自転車が設置されて、1回1元位(システムは未だ把握していません)で
自由に使うことができて、各ポイント(路上の駐輪場所)に自分で返還するシルテムが、管
理人がいない状態で機能している事や、数年前に比べてかなり路上へ放置するゴミが減
ってきているように感じています。
つい最近、昼食に行った小さなハンバーガー店(マクドナルドでは無く、中国のチェーン
店)にサイドバッグを置き忘れて2時間後に気がついて取りに行ったのですが、店員がテー
ブルを片付ける時に気がついて保存してくれていました。
中身は1000元位の現金が入った財布と一枚の銀聯クレジットカード・中国の運転免許
書・就労証明書・マンションのカードと鍵等が入って居ましたが、数年前であれば確実に
無くなっていたと思います。
パスポートが入っていなかったので半分あきらめていたのですがラッキーでした。
自分の物忘れの事は棚上げして、中国も少し変わってきたのかなと良い方に考えを・・・。
では、忘れなければ、又、来月紙面で!
2012年06月10日
車田 修