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■■□ アドペックレポート/住宅&関連市場情報
□□★ <2023年7月号> No.0219
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(株)アドペックは、日本を代表する木工機械メーカー数社などが出資、木質系・窯業系建
材の加工・塗装設備のライン設計から施工管理・試運転立ち上げまでのエンジニアリング
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アドペックグループの活動状況報告並びに、住宅関連情報を発信させて頂きます。
内容
(1)中国の市民の購買動向の変化と経済動向
(2)住宅関連情報 今月の住宅関連情報へのリンク
住宅・建材・家具・不動産等についての公開記事を中心に1ヶ月分をリストア ップ し
て発信します。
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中国レポート
中国の市民の購買動向の変化と経済動向
東海地方は梅雨の終わりに近づいていますが、連日最高気温30℃前後の蒸し暑い日
が続いています。中国中山市では最高気温が当然のごとく30℃越え、最低気温も25℃
以上となっており、そろそろ真夏の様相になってきていまが、東海地方より湿度は高く快適な
状況とは言えない日が続いています。東海地方も梅雨明けは7月中旬の予定なので、もう
少しで真夏の天候となるのでしょう。
最近中国に行って感じるのは、3年前のコロナ以前と比べて日中、市中の人出が少ない
ような気がしています。日曜日等の休日に関してもスーパーマーケットやモールでの人手が思
ったより多くなく、昼食時や夕食時も以前のようにレストランが満席な状態が少ないような気
がします。
コロナの感染が増えているとの報道があるので、多くの人が外出を控えているのかどうかわ
かりませんが、少なくともほとんどの人がマスクを着用していない事から、そんな理由ではない
と思います。ゼロコロナ政策が終了して、経済はV字回復に転じたと言われていましたが、
最近の中国の経済指標はあまり勢いがないデーターが公表されています。
2023年6月15日に発表された5月の経済統計では、工業生産が新型コロナの影響
で打撃を受けた去年の同じ月からプラス3.5%と低い伸びにとどまりました。前年はゼロコロナ
の真っただ中で、上海を中心に厳しい外出制限がとられていた時期だったので、その時期と
の比較においては、力強さに欠けた数字といえるでしょう。また、1月から5月までの不動産
の開発投資はマイナス7.2%となっており、以前は中国における経済を牽引していた不動産
業の低迷も続いています。
少なくとも前年比でみれば多くの指標は伸びているのですが、ゼロコロナ時期との比較と
なるので実際に、かなり低迷しているような気がします。家電や自動車等の販売も思ったよ
り伸びていないようで、個人消費や企業のマインドが回復していないことが原因とされていま
す。物価指数の伸びも低く、デフレ懸念が浮上しているようです。
大学卒業者を含めた若年層(14歳から24歳)の失業率が20%を超えているとの報道
がありますが、中国の失業率の統計は実態を反映していないというのが常識となっている関
係から、あまりあてにはならないと思いますが、労働可能人口に対しての2023年3月の失
業率は5.3%となっており、最近急激に失業率が上がったというわけではないようです。しかし
若年層、特に大卒の就職率が悪くなってきているのは本当のようです。
中国は、改革開放以来、共産党政権は党の指揮によって需要増加が期待される分野
に生産要素を再配分し、実質GDP成長率が10%を超える高度経済成長期を実現しま
した。しかし、2017年以降、成長率の低下は鮮明となり、米中対立やゼロコロナ政策の徹
底、ウクライナ危機などが成長率低下に拍車をかけています。
海外需要の低迷から、輸出に関しても思わしくない状況が続いており、15~64歳の生
産年齢人口の減少を背景とする労働コストの増加、トランプ政権以降の米中対立などを
背景に中国での生産を見直し、ベトナムなどのASEAN地域やインドなどに事業拠点を移
す海外の企業も増えています。都市への人口流出に直面してきた内陸部ではさらに需要
が急速に縮小均衡していると言われています。
共産党政権による雇用政策は、改革開放路線をベースに海外企業を呼び込み、急激
な経済成長を遂げている事により維持されてきましたが、2018年以降の現政権による開放
政策からの変更や監視政策の推進、一部の民間企業の国営化等の動きは、民間企業
の将来の成長に向けたマインドに対して、マイナス方向に働いている関係もあり、企業の成
長が一時的にも頭打ちとなってきていると考えられています。
一方で、中小製造業においてはその企業の立地条件や賃金体系等から、未だに人手
不足が続く状況があるのも現実で、労働市場が人手不足であるにもかかわらず、若年失
業率が上昇するのは求職側と求人側のニーズが合わないミスマッチが原因だと言われていま
す。ミスマッチの主因は、ブルーカラーとホワイトカラーという職種分類に対する固定観念が強
く、「ブルーカラー=社会の底辺」と位置付けられていることにあります。
中国における若年失業の問題は、高度成長が止まり必要な労働人口自体が頭打ちに
なってきている事もありますが、社会、経済、政治を支えてきた「勤勉さ」という価値観を揺る
がしかねない問題を含んでおり、働きたいにもかかわらず、それがかなわず、存在理由が見い
だせない若年層の疎外感は一段と高まっているようです。
国有企業や公務員を目指す安定志向も、国有企業や公務員は有形無形の制度に
守られた特別な存在であると大学生が認識している点で、中国経済が抱える歪みを映して
いるといわれています。中国のバブル的な経済状況は終わり、多くの国民はそれぞれの個人
の経済状況と価値観に合わせた、消費動向に少しずつ移行しており、過度な投資や内需
の大きな拡大時期の終わりが近づいているのではないでしょうか。
しかしながら、習近平が掲げる共同富裕の政策と中流階級の拡大が、13億の人口を持
つ中国の内需のさらなる拡大につなげていけるかが、今後の鍵となるのでしょう。
2023年07月10日
車田 修
(2)住宅関連情報
2022年6月
目次
1.住宅関連
2.リフォーム関連
3.住宅ローン関連
4.建材・住設・家具・合板・木材関連
5.建築・不動産関連
6.塗料・素材関連
7.環境関連
8.アジア関連
今月の住宅関連情報へのリンク
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