■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■■□     アドペックレポート/住宅&関連市場情報

□□★                  <2023年4月号>     No.0216

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★

 

 (株)アドペックは、日本を代表する木工機械メーカー数社などが出資、木質系・窯業系建

材の加工・塗装設備のライン設計から施工管理・試運転立ち上げまでのエンジニアリング 

を専門に行う企業です。詳細はホームページをご参照下さい。

 

 

* + * * + * * + * * + * * + * * + * * + * * + * *+ *


アドペックグループの活動状況報告並びに、住宅関連情報を発信させて頂きます。
内容

1中国変貌の歴史体験

(2)住宅関連情報 今月の住宅関連情報へのリンク 
  住宅・建材・家具・不動産等についての公開記事を中心に1ヶ月分をリストア ップ し

    て発信します。

* + * * + * * + * * + * * + * * + * * + * * + * *+ *

中国レポート

中国変貌の歴史体験

 

 今年の桜の開花は全国的に例年に比べてかなり早く、平年に比べて10日位早くなったよ

うです。3月初旬の気温が平年より高かったことで、昨年の休眠打破の時期の遅れを一気

に取り戻したとの事です。中国広東省中山市は、そろそろ最高気温25℃超えで、最低気

温も20℃の日が続く時期に来ていますが、4月後半には時々30℃超えの真夏の様相に

なっていきます。今は湿度もあまり高くなく過ごしやすい時期ですが、これから初夏の南国フ

ルーツであるマンゴやライチのおいしい果物の季節が来ます。

 

 私は中国との仕事上の関係は古く、最初に中国北京を訪れたのは1975年2月17日

から2月22日でした。当時は羽田空港から直接北京には入れず、上海虹橋空港に給油

の為か寄り道してから、北京に行っての入国でしたが、真冬の北京着陸時に上空から見た

北京郊外の景色は、灰色の世界が一面に広がっている印象を今でも鮮明に覚えていま

す。

 

当時中国は文化大革命(1966年から1976年)が終わりかける段階で、その影響が

あるのか、真冬で緑が見えない状況だったのかはわかりません。夜は灯火管制に近い事が

行われており、街路灯はオレンジ色の薄明るいものがついていましたが、タクシーのヘッドライ

トも消灯状態で走っており、交差点に近づくと前方を確認するために点灯するような状況で

した。なぜヘッドライトを消しているのかとの質問に対して、中国人は目が良く見えるから点

灯の必要はないとの返事でしたが、当時は何となく納得していました。

 

 1975年10月8日から10月30日の間、再度北京を訪問し、設備の最終仕様確認と

価格交渉等が行われました。当時中国におい家庭用のテレビを普及させる計画があり、当

時のブラウン管テレビのキャビネットボックスの部材、パーティクルボードと合板の複合材料を

製造する工程において、合板に化粧紙を張るラミネートラインと水系アミノアルキッド塗料を

塗装して乾燥するラインの案件でした。

 

 当時中国サイドは当然国営企業しかなく、海外からの設備の導入の窓口は中国技術輸

出入総公司(正確かどうかは不明)となっており、最初は技術説明の会議を朝9時から12

時まで、午後は3時から5時まで4日間位行いました。私は当時26歳で技術的にも未熟

で、経験も少ない技術者でしたが、一緒に同行した他社の技術者の方々に助けられなが

ら、会議に臨んだことを今でもよい経験として記憶に残っています。当然中国側も技術者や

製造管理者が10名ぐらい参加していましたが、彼らも暖かく私を受け入れてくれていまし

た。

 

 この設備は、上海郊外の工場に納入して、設備の据え付け組み立て等は中国側のみ

で、私たちが提出した資料を基にすべて行い、ほぼ完ぺきな仕上がりとなっており、1978年

2月24日から3月29日にかけて、試運転と調整の為上海を訪問しました。その間多少問

題はありましたが試運転が無事終わった当日、その工場のスタッフ一同が集まり、工場内で

中国の家庭料理をごちそうしてくれました。同じ目的をもって集まった人々が、国と国の垣根

を越えて嬉しそうに過ごしたことを覚えています。

 

当時、日本から中国に行く人は少なく、私たちも中国に行くときの注意点をこの設備の

元受けである大手商社の人から、特に政治的な発言をしない事や、当時の中国の政治情

勢や日本と中国の関係を考慮した行動をとるようにとの説明があり、最初は緊張した状態

で臨みましたが、技術説明から受注折衝、設備の試運転と多くの中国の人々との接触に

おいて、基本的な人と人とのつながりにおいては、国の関係とか政治的な問題とは切り離し

た関係が築けると感じました。

 

 この設備の受注から納入試運転にかけての、1975年から1978年は中国国内の政治

状況が大きく変わっていく時代と並行していました。文化大革命の終わりから、その文革を

主導した4人の政治家(4人組事件)が1976年9月9日に毛沢東の死去により失脚し、

毛沢東から引継いだ華国鋒が党中央委員会主席となりましたが、1978年12月にはトウ

小平に実権を奪われ、その後中国は改革開放路線へと変貌していきました。偶然なことで

すが私たちが試運転をしている間の1978年2月に、政治混乱により3年間開催されてい

なかった全国人民代表大会が開催され、憲法改正による人々への多くの規制が変わったと

の事でした。

 

 当日、上海の町はお祭り騒ぎとなり、私たち外国人も一緒にお祝いのパレードに参加する

ように言われ、はっきりとした記憶はありませんが、花や看板で飾った大八車のようなものを引

くホテルの従業員たちと一緒に街を歩き回りました。ホテルの従業員の女性は今日からパー

マ(髪型)が解禁となったとの事で、次の朝はほとんどの女性従業員がパーマをかけた髪形で

働き始めたのを覚えています。事前に準備がされていたのでしょう。

 

 しかしながら、個人と個人の関係は別として、日本から離れた海外においてはそれぞれの

国が定めた法律や風習があり、原則として立ち入ってはならない問題等が、現実に存在す

ることが有ることを忘れてはなりません。これらの問題はその国の政治的な運営や方向性も

それぞれの時代に常に変化することも覚えておく必要があると思います。

 

現在の中国においても改革開放路線から2013年の習近平国家主席に政権が変わっ

た以降の10年、徐々に中国の雰囲気が変わってきたことは、その間の多くの中国訪問によ

り私たちは感じ取っています。以前の経済高度成長期と、現在及び今後に関して中国の

政治的な動きは大きく変わっていく事を理解し、常に考えながら行動する必要があると思い

ますが、個人間のつながりに関しては、変わらないと考えています。                      

 

    2023年04月10日

      車田 修

 

 

2)住宅関連情報

 

2022年3月

目次
1.住宅関連

2.リフォーム関連
3.住宅ローン関連
4.建材・住設・家具・合板・木材関連
5.建築・不動産関連
6.塗料・素材関連
7.環境関連
8.アジア関連

今月の住宅関連情報へのリンク

尚、上記内容を詳しく情報が知りたい方は、ご連絡下さい。

これまでのアドペックレポート

 

 

不要の方は、お手数をお掛け致しますが配信不要とご記入頂きメールでお知らせ下さい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 
   発行:株式会社アドペック  http://www.adpec.co.jp/
   〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-14-8
           名駅あさひビル5F 501号
   TEL052-533-4111・FAX 052-586-0444
   問い合わせ:info@adpec.co.jp

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇