中国レポート
インドネシア出張
名古屋は連日35℃超えの日が続いていますが、私は今月初めインドネシアと中国に出か
けていました。インドネシアは今ちょうど乾季で日中の気温は30℃位,早朝が23℃位で、
湿度も低く夜寝るときの冷房は要らないくらいでした。中国(広東省)も気温は少し高めです
が35℃にはならない位で、湿度も名古屋に比べて低く日陰であれば我慢できない暑さでは
ありません。過ごしやすさからいえば、インドネシアも、広東省も名古屋より確実に良い時期
だと思います。
インドネシアを含めたASEAN5カ国(インドネシア・マレーシア・タイ・ベトナム・フィリピン)の
2015年の平均経済成長率は、全体的に若干鈍化傾向といわれていますが、2014年に
比べて伸びが予想され、5.5%になるとの事です。2016年も同レベルの成長が予想され
ており、各国の人口増加傾向もあり今後のマーケットとして期待できる地域となってきていま
す。
中国の経済は悪いと言われていますが、一応7%の成長だと言われており、まだまだ市場
規模は拡大される傾向になっています。
中国の現状は、経済成長が減速して先行きが不安視される報道が日本では目につきま
すが、高所得者層の購買量が減速してきているのは間違いなく、その購買志向も量から質
へと確実に変化してきているようです。物(家・家電・車等)を持っていない時代から10年か
ら15年でたいていの物を手に入れて、生活レベルは日本を超え、買うものがなくなってきて
いる現象は当然起こり得る事です。 今後は、ASEAN諸国と同じような5%成長の時代に突
入し、中間層から低所得者層の購買力が経済を支える方向になっていくのは自然の流れだ
と思います。
インドネシアにおいても、労働賃金の上昇が続いており、過去7年間は10%~18%の2桁
の上昇率となっていますが、物価の上昇率も高く購買力が上がっているとは言えない状況の
ようです。高所得者層が経済成長を引っ張っている傾向は他の発展途上国と同じで、今後
中間層の増加に合わせて購買力が増え、内需が経済を引っ張ることになるのはそれほど遠い
時期ではないのではないかと考えらえます。
日本の企業も、インド・ミャンマー等を含めた東南アジア地区を、今後の大きなマーケットとし
て行動に移しているのは大手企業ばかりで、中堅・中小企業においてはまだまだ展開してい
る企業は少なく、特に住宅の内装・外装関連の建材メーカーのこの地区に向けた販売活動
は少なく、一部の現地製造日本販売で活動しているメーカーも現地販売に向けた動きは限
定されているようです。
マレーシアでは、住宅需要に供給が追い付かない現象が出てきており、インドネシアも住宅
需要が伸びる傾向等、日本式の建築工法による低コスト・短工期・省エネをベースにした木
造構造をベースにした、脱木造を含めた建築工法の提案ができる技術は、日本の住宅建材
業界にはあると思いますが、具体的な行動に移すところが出てくることを望んでいます。
軽量な高機能内装建材や日本の文化で育ってきた窯業系サイディング等の市場をどのよ
うに作っていくかが今後の課題なのでしょう。一般的には日本の住宅・建材メーカーがそれぞ
れ単独でこの課題に立ち向かうのは難しいと考えてしまうのでしょうが、日本の特徴ある建材
及び住宅メーカーが手を組んでグループとして、政治的なバックアップも取り付け、この大きな
市場を開拓していく方法は取れないのでしょうか・・・・・・・。
と、このような空想を思いながらのインドネシア出張でしたが、我々建材関連の設備を中心
に製造販売している者にとって、日本の建材業界の低迷と今後の新築住宅着工数の減少
傾向は、建材製造設備の設備投資の縮小傾向は今後も続いていくと考え、中国国内への
設備販売も継続させながら東南アジアへの販売強化を現実的に進めていく必要性が出てき
ているのは否定できないと考えています。
2015年08月10日
車田 修
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・