中国レポート
中国清明節と高速道路渋滞
名古屋では桜が満開になっている頃でしょうが、ちょうど中国に来ていて帰国後散りはじめ
を見られるかどうかですが、中山市は３０℃にせまる日が多くなり、そろそろ真夏の様相になっ
てきて、湿度も高いので日中はクーラーが必要な季節になっています。 昨年より早めに気
温が上がってきているようで、今年の夏は厳しい暑さになるかもしれません。
中国は４月５日が清明節で、４月４日から６日まで休日となりますが、香港は３日から７日
までが休日となっているようです。この清明節は日本ではあまり聞かない節句ですが、日本の
お盆のようなもので、先祖の供養のために墓の清掃をして供え物をする墓参りの日です。
２４節気の５番目の節気で、旧暦では、２月後半から3月前半に当たり、春風が吹き、暖
かくなると、空気は新鮮で爽やかになり、天地は明るく、清らかになり、このため「清明」と呼
ばれるのだそうです。又、この時節は、雨が次第に多くなることから、親に仕える道を重視す
る中国人は、「生者に仕える如く死者にも仕える」という考え方から出発し、墓を先祖が地
下に住んでいる場所と見なし、雨季が到来する前の清明の季節にはまず、風雨に一年間
さらされてきた墓を修復、整理し、草を刈り、土を盛らなければならない。
そして供物を並べ
て礼拝し、先祖にご加護と平安を祈るのだそうです。
中山市の墓地が集中している場所は、朝から渋滞の列ができその場所が中山港の近くの
為、船の時間に間に合うためにはいつもより早く出発しなければならないほどです。又数日
の休みで、季節も良いことから近場への行楽に出かける人が多く、特に香港への買い物に
行く人や、香港から中国に来る人も多いため、この間の香港往復の船券は満席で売り切
れ状態になっています。
４月３日に新センに出張に行き、中山から100ｋｍほどの場所で２時間もあれば目的地
に着く距離なのですが、往きは何とか２時間くらいで到着して、用事を済まして４時ごろ現
地を出発して、冗談で帰りの高速道路はこの時間いつも混むので、５時間くらいかかる
かもしれないと話していたのですが、現実として中山の精一機械についたのは午後９時過
ぎ、本当に５時間以上かかってしまいました。
久しぶりに中国の高速道路の大渋滞に巻き込まれましたが、４日から休みに入る事と、
午前１２時を過ぎて高速道路を出る場合は高速代が無料になる事から、ちょっと遠くまで
行く人たちが、夕方からどんどん高速道路に入り込み、時間が遅くなればなるほど車の数
が増えてくる現象となり、この大渋滞につながったようです。
中国の高速道路無料化は２０１２年から清明節、労働節(メーデー)、国慶節と、国務
院弁公庁がこの4休日の前後に定める連休日に無料化制度を導入すると決められ、
実施期間は祝祭日初日の午前0時から最終日の午後24時となります。
無償化の趣旨は、連休時の海外渡航を国内旅行に向けさせ、国内需要を掘り起こ
させるためという事のようですが、中国各地での大渋滞を発生させる原因となり、海外旅
行はさらに増え続け、単純な思い込みによる政策は、高速道路の財政を圧迫することと
なり、愚策の世界記録だといわれるほど悪評の政策のようです。
日本においても、２０１０年から高速道路無料化の社会実験が実施されましたが、その
後東北震災関係の無料化を除いて凍結されましたが、どこの国の政策もときどき理解しが
たい方向が現れることがあり、本当の真意がどこにあるのか一般の国民には解らないうちに
終わってしまうものや、うやむやのうちに定着してしまうものもありますが、ある人にとっては有
益であり、ある人にとっては無益で弊害となる事はある程度仕方がないことかもしれませんが・・・・。
精一機械の改革も少しずつ進展し始めており、機会があればその辺の経緯や問題点
もご報告したいと考えております。
２０１５年０４月１０日
車田 修
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