中国レポート
「精一機械組織改革」
日本(名古屋)も中国(広東省・中山)も3月に入って急激に寒さが和らぎ暖かい日が続く
ようになっていますが、日々の寒暖の差が大きく中山市では最高温度が15℃~25℃まで
日替わりで変化しています。ここ数年と比べて今年の冬は暖かい日が多く、10℃を切る日は
少なかったような気がします。防寒着がいるような肌寒い日があると思えば、半袖でも問題な
いような日があり、体調維持がもっとも難しい季節が続いています。
春節明けの2月25日は精一機械の仕事初めですが、今年も工場作業員の数名は帰省
して戻らない現象がおきていますが、この時期広東省の多くの企業は地方出身者が春節で
帰省したまま戻らない現象や、転職も同時に増えることもあり、従業員募集活動が盛んにな
ります。中国においては過去4年間における急激な人件費の高騰や、地方出身者の故郷
へのリターン減少による人手不足が、特に広東省では顕著に現われてきており、実質経済
成長が下降傾向にある中、各企業の経営体質が弱い企業の倒産・廃業が目立つようにな
ってきているようです。
多くの国営企業が解体され、過去15年間に多くの中小企業の起業が高度成長とともに
促進され、ある企業は海外企業との資本提携等により急激に巨大化し、ある企業は競争
原理の基に廃業に追い込まれてきましたが、中国の経済成長と先進国に比べて貧しい家
庭環境からの、人々の物欲を満たすための新しい衣服・住居・家電・自動車等の生産が
一斉に始まり、それぞれの産業が急激に発展成長し、海外への輸出も促進され世界の工
場としての地位を確立してきました。
生活レベルにおける格差はますます大きくなってきているようですが、少なくとも中国の人口
の30%(約4億人)は日本の平均的な生活水準(あくまで表面上の物欲を満たす段階で
すが)に達しており、中国国内の消費拡大も当然としてなだらかな状態の時期になってきて
います。
乱立した企業の多くは当然な流れとして淘汰されていきますが、世界情勢に左右されやす
い海外企業との合弁会社や輸出産業は人件費の高騰から、東南アジアへと生産基地を移
す傾向が現われ、国内需要中心の企業は低成長時代への対応を迫られる時期になってき
ています。
精一機械は、中国国内への設備販売が60%~70%、日本及び海外への設備販売が
30~40%で、人件費の値上がりと人手不足・日本向けにおいては円安の影響もあり、経
営的に社内の効率化を早急に進めなければならない時期に来ていると判断され、昨年夏
以降、経営方針と及び組織の変更を進める方向で検討を進めてきました。
設立以来10年間中国の成長に合わせて国内需要の売り上げを伸ばしてきましたが、中
国における建材関連設備投資の鈍化傾向が顕著に現われる中、省力自動化の設備が増
えてきており、日本の技術を取り入れ易い環境から技術面で他の同業者に比べて有利な方
向に来ているのですが、売り上げが伸びる中において管理者不足の傾向から品質管理と原
価管理の面が弱いと判断し、今回の大幅な組織変更に踏み切る事になりました。
今まで曖昧であった各部署の責任範囲と権限を明確化し、従業員への利益還元を重点
にした経営方針の転換と組織変更を実施する方向で進められており、春節明けの3月1日
からの新組織への移行が発表され、少し時間がかかるかもしれませんが顧客が満足する品
質を確保し、従業員が働く意欲を持つことができる企業をめざし、当然ながら作業効率と品
質確保を重点とし、利益確保ができる企業体質を作り上げる目的で10年目を節目として
再スタートする事になりました。
今後、日本向けの設備に関しても、より品質管理面を重点にミスの無い設備を供給でき
るよう、私どもアドペック従業員も精一機械と一丸となって取り組んでいきますので、今後とも
よろしくお願いいたします。
2015年03月10日
車田 修
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