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(株)アドペックは、日本を代表する木工機械メーカー数社などが出資、木質系・窯業系建
材の加工・塗装設備のライン設計から施工管理・試運転立ち上げまでのエンジニアリング
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アドペックグループの活動状況報告並びに、住宅関連情報を発信させて頂きます。
内容
(1)中国中山港・コンテナー通関事情
(2)住宅関連情報
住宅・建材・家具・不動産等についての公開記事を中心に1ヶ月分をリストア
ップ し
て発信します。
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・・・・・(1)中国情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中国レポート
中国中山港・コンテナー通関事情
今年の日本の夏の気象は例年にない極端な異常気候で、平均気温では西日本が+1.2
℃(統計開始以降第一位)、東日本が+1.1℃(同第三位)、沖縄・奄美が+0.7℃(同第二
位タイ)となり、8月12日には日本の最高気温記録41.0℃を高知県四万十市江川崎で更
新しました。 雨も多雨地域と小雨地域が極端に分かれ、東北地方の7月の降水量は平年
比182%で、北陸地方ではこの夏の降水量が平年比151%となり、東・西日本太平洋側
と沖縄・奄美の一部地域では小雨、九州南部と奄美地方の7月の降水量は平年比11%
と極端に少ない雨量となりました。又各地で豪雨に見舞われ、東京・名古屋においてもゲリ
ラ豪雨による道路上や地下街に浸水する現状が起きています。
9月に入ってやっと猛暑から解放されたような気がしていますが、中国広東省においては平年
並みに暑い日が続いています。 しかし、6月の梅雨から7月・8月と雨の日が多く、通常であれ
ば青空にぎらぎらした太陽に照りつけられた地面からの輻射熱でたまらない季節のイメージがあ
るのですが、今年は雨の影響もあり8月は日本(名古屋)より若干涼しいかと思われる日が多
く、9月にはいると夜はクーラーが無くても寝られる気温になってきています。
そのような中、今回中国の窯業建材メーカーに納めるラインの設備を精一機械にて受注して
進めていますが、日本からの機械部品・電機部品等を輸入する段階においてまたまた多くの問
題に直面しましたので、その事情等を少しお話します。
過去十数年に渡り、日本や海外に販売する設備や中国国内に販売する設備に組み付け
る機械部品や電機部品を、数多く日本から輸出していますが、通常日本からのコンテナーは
10日間前後の日数で香港で中山港行きの小さいコンテナー船に積み替えられ、翌日中山
港のコンテナーヤードに陸揚げされます。
その約2~3週間前から中国の通関手続きをしてくれる貿易会社にて、通関用の書類の作
成作業が始まるのですが、基本的には日本側にて輸出する部品の名称・形式・仕様・サイズ
・重量・個数などの一般的なリストを元にして、その貿易会社からいろいろな資料を提出する
ように要求されます。各部品のカタログ・出荷品の写真・各メーカーの取扱説明書等、何でこ
んな物までと思われる物まで要求されることがあります。
一般的には、書類に不備が無く、簡単な物であればコンテナーが到着してから、4日後位
には荷物が出せる事になっているのですが、我々の取り扱う機械や電機部品は通関の検査
管としても、もっとも解りずらい種類に入る事や中国独特の機械や電気部品に関する安全
規格(CCC)が有り、一種の輸入規制をかけている関係から提出する書類等の不備は致命
傷となりかねなく、通関に要する日数が大幅に伸びてしまう要因となります。
特に保税品として輸入する場合は、当別な物を除き輸入規制の範囲外となり関税もかか
りませんので、なんとか若干の日数延長で通関できるのですが、今回のような中国に売るため
の輸入品に関しては、輸入規制の問題と関税の評価が絡んでくる為、すんなりとはいかない
のが普通です。
今回の輸入品に関しては、インボイス金額が適正かどうかの判断ができないので、日本での
仕入れの領収書と納品明細書(金額記入)を出せと言われました。 一般には取引上販売
先に仕入れ価格をオープンにする事は無い為、この要求はおかしいと抗議するとその領収書が
提示できないのであれば、中国で過去に輸入した同種の物の中で一番高い物と同一価格だ
として課税する、しかも調べるのに相当の時間が必要となるとの返事です。急遽仕入れ先に
輸入インボイス価格より10%位低い価格の領収書を発行してもらい、提出しましたが、そ
のほかに入っているベルトの色が何色かとかまでの質問には、一種のいじめとしか考えられな
い事だと思いますが、これが現在の中国では当たり前の世界になっています。
このような事例は各地の中国の通関で起きている様なのですが、その背景には賄賂という袖
の下の費用が大きく絡んでいることは間違いなく、精一機械においても過去に相当額の金額を
貿易会社から要求され支払っているようです。 この貿易会社も又、政府機関の子会社に近
い形で存在し、関連のない民間が独自に貿易会社の認可を取って営業することは可能なの
ですが、現実的にはそれらの賄賂の受け渡しが可能な業者以外は通関業務がスムーズに行う
ことができない状況になっているようです。
通関手続きをするオフィイスの壁には、服務規程が書いてあり、その内容のほとんどが業者か
ら金銭等を受け取ると罰せられる事が数項目に渡って書いてありますが、苦笑いしながら眺め
るしかない状況が現実の中国の姿なのです。
この様な状況がいつまで続くのか解りませんが、日本や欧米なみになるにはまだ数十年かか
りそうな気がしていますし、絶対に是正されることは無いのかもしれません。
2013年09月10日
車田 修
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