中国レポート
中国の牛乳の話等
今回、世界中に被害がおよんだ、中国製牛乳(乳製品)へのメラミン混入事件は、現
在の中国の急激な経済成長の歪の象徴みたいな気がします。
当初、2008年9月に中国三鹿集団が製造した乳児用粉ミルクからメラミンが検出され、
中国の小児5万4000人に被害が広がり、腎臓衰弱や心臓結石により4人が死亡、104
人が重体、4万人余りが病院にかかっているとの発表がありましたが、最終的には中国の
3大牛乳メーカーの光明・イーリー・蒙牛が製造販売する牛乳・チーズ・アイスクリームから
もメラミンが検出され、それらが世界中に何らかの材料用として輸出されていた関係から、
世界中に問題が広がった事件です。
現在中国は世界で第三位の牛乳生産国になっており、2007年には乳牛が1470万頭
で、乳製品の生産量は3600万トン、10年で10倍の生産量になったようです。
しかし、中国の一人当たりの平均占有率(消費量)は世界の平均に比べて1/4と低く、
中国国内では、乳製品の需要がまだまだ伸びるとの予想から、生産量の急激増加が行
われてきたようですが、実際には2003年以降は国内需要が伸び悩んでいる現状があり、
輸出産業化したようです。
他の農産物や工業生産品も同じように、世界の工場として輸出産業化してきたことか
ら中国でのこのような品質管理面での事故や事件が発生するたびに、世界中がその影
響を受けている現状を実感するこのごろですが、中国で機械を生産しているわれわれも
他人事とは言えない問題として、品質管理や生産管理をより充実していかなければい
けない事として受け止めています。
牛乳の話に戻りますが、当初、中国滞在中にスーパーで小さな紙パック入りの牛乳が
山積みにして売っている光景を目にして、しかも小さな小売店では路上の炎天下に牛
乳のパックがパレット上にビニール包装されて放置されている状況(多分広東省での酪農
は少ないのでので、流通の問題だと思いますが、一般に言うロングライフミルクで、UHT殺
菌法とか言う商品だと思いますが・・・幾らなんでも6ヶ月の消費期限の牛乳は飲みたくな
い)から、中国の牛乳は飲めないと決め付けてきました。
しかし、今年に入ってから、昨日の生産年月日が記入されていて、日本と同じ1リットル
の紙パックに入った商品が、冷蔵コーナーに並ぶようになったので、最近では中国滞在中
はこれを買って毎日飲むようになっており、このメラミン事件の発生後も、まあ関係ないだ
ろうと飲んでいます。
最近の我が駐在員木村さんの報告では、買ってきた牛乳が数日後にはヨーグルトになっ
ていたとか・・・・皆にそれは最初からヨーグルトだったのではと冷やかされたり・・・。
買うスーパーが信頼性にかけるからと、日系のジャスコで私が薦めた製造年月日入りの冷
蔵コーナーで買った牛乳も、数日後(1週間以内)に固形化していたとか、日付の新しい
卵を割ったのに黄身と白身が最初から一体化していておかしいと思ったら・・・1ヶ月前の日
付けだったとか、借りた新築マンションの家具の引き出しは、4・5回出し入れしたら、壊れた
り、ガスレンジのガスの自動着火が作動しなくて火が使えないので夕食抜きで次の日調べ
たら・・・電池が要るみたいだとか・・結構楽しい体験をしているようですので、少し経ったら
まとめて中国のスーパーでの買い物事情や日常の生活のレポートもご報告できると思います。
我々も、現地の中国人と同じ様に食料関係も含めて、多少の問題は有って当たり前の
世界に慣れてきており、自己防衛が独りでに身についてきているのかもしれませんが、滞在
日数の多い人たちも今のところ食中毒や体調の異常も無く、ほとんど外食や中国でのスー
パーでの食材に頼り切っている・・・他に方法が無い・・状態で、中国での滞在を楽しんでい
るのが現状です。
2008年11月10日
車田 修